上空に強い寒気が流れ込んだ影響で、佐賀市内では27日午前9時ごろビー玉サイズのひょうが降り、SNSなどで市民の報告が相次いだ。激しい音をたてながら地面をたたきつけるように降った場所もあり、「車の屋根が心配」などの声があがった。この寒気が週末にかけて西日本~北日本の広い範囲に流れ込み、所々ひょうが降るおそれがある。首都圏でも29日はひょうに注意が必要。
九州各地で「ひょう」の報告が相次ぐ
九州北部には26日夜から強い寒気が流れ込み、竜巻などの激しい突風やひょうが発生しやすい気象状況になっている。27日は上空に氷点下21度以下のこの時期としては強い寒気が流れ込み、佐賀市内など各地で積乱雲が発達。各地でひょうが降った。
上昇気流で下に落ちられず「つぶ」が成長
気象庁によると、ひょうは冬よりも5月や10月などの春や秋に降ることが多い。「上昇気流がとても強い積乱雲の中で、小さな氷のつぶはなかなか下に落ちることができず、周りにある他のつぶとぶつかったりくっついたりして、大きなつぶに成長する」という。直径が大きくなり、上昇気流が支えられなくなると地面に落ちる。つぶが大きいため、落下中にとけきれずに一部が氷のまま地面をたたきつけるのだ。気象庁では、直径がおおむね5ミリ以上のものを「ひょう」、それ未満を「あられ」と区別している。
過去には「かぼちゃサイズ」?のひょうが降ったことも
28日にかけて日本の上空約5500メートルに強い寒気が流れ込むため、西日本から北日本にかけての広い範囲で、大気の状態が非常に不安定となり、所々で積乱雲が発達する見込み。29日は、北日本の上空約5500メートルに、氷点下24度以下の、さらに強い寒気が流れ込むため、北日本では大気の非常に不安定な状態が続く見込み。
熊谷地方気象台によると、1917年(大正6年)には、最大で直近30センチ弱の「かぼちゃ大」重さ3.4キロのひょうが降った記録があるという。気象庁は、積乱雲が近づく兆しがある場合には、頑丈な建物内に移動するなど、安全確保に努める必要があると呼びかけている。
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