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生物×静物!世界に広がる絵本の世界

大分県由布市の山あいで廃校となった小学校をアトリエにして活動している2人組がいる。人間や動物など生物を描くのが得意な吉岡紗希(35)と、建物やロボットなど人工的な静物画が得意な阿部健太朗(34)夫婦による絵本作家兼芸術家ユニット「ザ・キャビンカンパニー」だ。

 

2014年に出版した処女作「だいおういかのいかたろう」が日本絵本賞読者賞を受賞。これを機に出版社からのオファーが次々に舞い込み、アジアを中心に海外でも販売される人気絵本作家となっている。

 

彼らの特徴の1つが、ベニヤ板を原画にしている点だ。板に描いていくことで、紙では出せない独特な風合いが生まれるのだ。現在40作を超える作品を世に送り出しているほか、その絵柄が買われ、26年ぶりに変更となった大分市のマンホール蓋のデザインも担当した。

 

そんな中、今年出版し国内で様々な賞を受賞した絵本「がっこうにまにあわない」が、スロバキアで隔年開催されている「ブラチスラバ世界絵本原画展」に日本から出品された作品の一つに選ばれたほか、ドイツの国際児童図書館が選ぶ世界の優れた児童書の1つとして入選を果たした。世界からも注目される彼らの絵本の世界に迫る。

ザ・キャビンカンパニー
阿部健太朗、吉岡紗希
住所:大分県由布市挾間町田代388
電話:097-574-4069
HP:https://the-cabincompany.com/

取材後記

私が阿部健太朗さんと吉岡紗希さんに出会ったのは、2011年。大学を卒業し、彼らが絵本作家になる夢を熱く語っていた頃だ。当時は出版社に絵コンテを持ち込んでも、デビューに至らない日々が続いていた。

 

あれから12年。すでに40作を超える作品を世に送り出す人気作家となった。今回の取材は、ブラチスラバ世界絵本原画展に選ばれたことがきっかけだった。そこにミュンヘン国際児童図書館から世界の優れた児童書の1つにも選ばれたという嬉しいニュースも舞い込んだ。

 

山あいの緑に囲まれた廃校のアトリエから世界に認められる絵本作家へと成長した2人。ちなみに撮影で使用した絵本は全て私物。これからもファンの1人として、彼らを見守っていく。
 

(大分放送  佐藤康太)

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