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フランスが絶賛!元エンジニアの焼酎

今年8月、フランスのトップソムリエたちが選ぶ日本の酒のコンクール「クラマスター」で小さな蔵元の焼酎が最高賞を受賞した。「クラマスター」とは2017年から始まったフランス人に合う日本の酒を選ぶコンテスト。


受賞したのは「青鹿毛」という麦焼酎。


この焼酎を造り上げたのは、明治35年創業、従業員7人の柳田酒造の五代目 柳田正さん50歳。家業を継ぐ前は、東京農工大学の修士課程を経て大手メーカーに就職した生粋のエンジニア。4代目の父親が病に倒れ、29歳の時に故郷に戻り、焼酎造りを一から学ぶことになった。


5代目が目指したのは麦の香りが楽しめる香ばしい焼酎。元々柳田酒造は芋焼酎のみを造っていたが、4代目が麦焼酎も造ることにした。その理由は地元に大手の芋焼酎メーカーがあり、芋では有意差が作れなかったため。


受賞した青鹿毛を科学的に分析すると一般の麦焼酎に比べて香ばしさの成分が10倍以上となっている。これほど香ばしい焼酎を造ることができたのはオリジナルの蒸留装置の開発。元エンジニアの5代目は自分で考案した蒸留装置を1人で組み上げた。

 

そのきっかけは自宅のお風呂をリフォームした時の湯舟。湯舟の追い炊き機能にヒントを得たのだ。

会社名:柳田酒造合名会社
代表: 柳田正さん
所在地:宮崎県都城市早鈴町14街区4号     
TEL:0986-25-3230
ホームページ:https://yanagita.co.jp/company/

取材後記

ほとんどの宮崎県人が飲む焼酎は「芋」です。焼酎は芋に限る!私もそう思っていました。その認識が麦焼酎「青鹿毛」を初めて飲んだ時に変わってしまいました。

 

どうしてこんなに香ばしく味わい深い麦焼酎が造れるのか?

初めて柳田酒造に伺い五代目の柳田正さんに話を聞き、その試行錯誤をお聞きしましたが、元エンジニアらしい論理的でわかりやすい丁寧な説明でした。


その時に強く感じたのは、焼酎造りに対する五代目のワクワク感いっぱいの情熱でした。よくよく聞くと、日本の焼酎を世界に広めたいとのこと。この番組で取り上げるべき人物だと思いました。


蔵のホームページには、明治35年創業の蔵元を率いる代表の思いが書かれています。
「伝統とは創造を重ねること 創造とは伝統を重んじること」


取材を終え、完パケになって思うのは、視聴者の方々に、あまり知られていない小さな焼酎蔵に興味を持って頂きたいということ。そして、これからを担う若い視聴者には、モノを作る仕事に興味をもって頂きたいということ。


ワクワクしながら仕事をしてる人の取材は、こちらも自然にワクワクしてきます。
良い取材対象に出会えたことに感謝しています。


(MRT宮崎放送 御手洗英明)

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