7つの保健所を1か所にする方針を示した福岡市 市民団体は「人員削減につながるおそれ」と危惧 条例案提出から採決まで1週間
福岡市が来年度から7つの区の保健所を1か所に統合するための条例案を市議会に提出したことについて、市民団体が撤回を求めています。市は何をめざし、市民団体は何を危惧しているのでしょうか。
福岡市「感染症などへの対応を強化するため」
福岡市は感染症などへの対応を強化するため7つの区にある保健所について、福岡市中央区の「あいれふ」に集約する方針で12月11日、議会に条例案を提出しました。
市民団体「人員削減のおそれ」
これに対して市民団体は、保健所職員の人員が削減されれば職員の負担増と市民サービスの低下が危惧される」「全市的な議論がされていない」などととしてなどとして、条例案の撤回を求める申し入れを行いました。「新型コロナ感染症対策の全国の状況をみると、医療機関や保健所の縮小や保健師の削減が緊急時の対応を破綻させた原因になっている」なとどしています。
市議会も紛糾
この「保健所及び保健センター条例案」をめぐっては、議員からの質問も相次ぎ、議会は紛糾しました。
中山郁美市議(共産党福岡市議団)
「現在7区全てにある保健所を廃止し、中央区舞鶴の健康づくりセンター「あいれふ」に一元化するための議案。何を考えているのか、開いた口が塞がらないとはまさにこのことです。
コロナ禍を経て保健所の存在と役割を再認識させられることとなり、その重要性が浮き彫りになりました。一元化すれば、具体的にどう体制が充実するのか?」
福岡市の担当者
「情報の一元的な収集・分析・判断が可能となると共に、指揮命令系統が明確となることから、広域的な機能が強化されると考えております」
井上麻衣市議(市民クラブ)
「本市は政令市で唯一、各区に保健所がある都市です。これからの保健所の役割についてどのように変わるのかご説明をお願いします」
福岡市の担当者
「感染症や食中毒に対応する広域的・専門的な保健所機能のみを一元化し健康危機管理体制を強化するものでございます」
森あやこ市議(無所属)
「従来の7区の保健所での人員配置を充実させ柔軟に対応できる体制にすることが重要ではないか?」
福岡市の担当者
「今般の新型コロナウイルス感染症において、保健福祉局に担当部署を設置し、7区の保健所の支援?調整を行って参りましたが、その際、7区の調整や情報の収集分析、判断に時間を要したこと、また陽性者の経過観察など、保健所の現場業務を見直しするにあたって調整等に一定の時間を要したことなどから、指揮命令系統の明確化が必要であると判断したものでございます」
福岡市 高島宗一郎市長
「今後の新興感染症に備え、広域的・専門的な保健所機能のみを一元化し機能強化を図るものでございます。尚、これまで保健所が行ってきた保険サービスについては引き続き各区で提供しながら、ぬくもりのある窓口サービスの充実に努めて参ります」
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