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常勤医師15人が退職する中核病院の院長を解任…生活保護の患者に差別的な発言?行き過ぎた「救急は断らない」方針で軋轢

福岡市早良区にある福岡記念病院で常勤する医師15人が退職する意向を示しています。福岡市の救急医療を担う病院で何が起きているのか?背景には、病棟の建て替えを控え、「利益率の改善」に力を注ぐ経営陣と一部の医師たちとの軋轢が見え隠れしています。

取材に応じた院長「新病院建設の責任者になりプレッシャー」


こうした状況について、院長は顔と名前を出さないという条件で取材に応じ釈明しました。

院長:
「僕の発言がちょっと過度に行き過ぎたところもありましたので、それは大変申し訳なく思っています。私どもの病院は、理事長の意志が反映されてそれを僕(=院長)が忠実に行う、実行していくという病院なので」

 


これまでの言動や方針転換は理事長からの指示だったとする院長は、去年のクリスマス、医師全員のレターボックスに謝罪文を入れました。

(要旨・抜粋)
『病院長になり、病院の利益率がかなり低いことが判明しました。福岡記念病院は全職員600~700人も在籍している企業で、新病院建設という大きなプロジェクトを抱えております。HCU(=集団治療室)に長期に在院し、ベッドが回転せず、さらにはその診療報酬が切られて赤字を出すという悪循環になっておりました。まずはそこから改善しないといけないと思いました。取り組みが急すぎたのは反省しております』

 

この謝罪文にある新病院の建設。福岡記念病院を経営する社会医療法人「大成会」は去年4月、ボウリング場があった「西新パレス」と隣接する土地・建物をおよそ65億円で購入。数年後には西新パレス跡地に新病棟を建設し、福岡記念病院を移転させる計画です。そのため、病院の利益率を上げる必要があったと言います。

『新病院建設の責任者にもなっていましたので、プレッシャーだった。この病院って理事長の意向が全てだからですね。(理事長に)嫌われるとクビになったりする可能性もあるから、どうにか理事長の方針とか普段言われていたことを遂行するかでちょっともう頭がいっぱいだった』

クリスマスに謝罪文を出した直後、先月28日の理事会で院長は解任されました。福岡記念病院は地域医療支援病院であるだけでなく、福岡県の災害拠点病院でありDMAT指定医療機関にもなっています。そんな地域医療の中核を担う責任がある病院の内部から聞こえてくる不協和音。患者や救急医療に影響は出ないのでしょうか?理事長に真意を聞くためRKBは、再三、取材を申し込んでいますが、これまでのところ理事長は取材に応じていません。

 

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