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春を告げる「シロウオ漁」が存続の危機 2年連続の休漁は川と海の環境変化が要因か 

福岡市を流れる室見川の「シロウオ漁」は、春の訪れを告げる風物詩として知られています。しかし近年漁獲量が減少し、今年は2年連続で休漁となりました。生きたまま口に流し込む躍り食いや天ぷらで食卓にも春を届けてくれたシロウオ。伝統の漁の現場で一体なにが起きているのでしょうか。

シロウオ漁が行われてきた福岡市の室見川


福岡市の西部を流れる室見川。2月上旬、シロウオの産卵場所を整備するため、漁業関係者や大学の関係者、地元住民など約120人が鍬やスコップを使って砂の下に埋もれている石を掘り起こしていました。

参加した人
「楽しいです。卵産んでくれたらいいな」
「子供たちが大人になった時に、もうちょっと今の現状よりも良くなってたらいいかなと思います」

体長5センチほどハゼ科の魚


シロウオは体長5センチほどのハゼ科の魚で、2月中旬ごろに海から遡上し、川底の石の下に産卵します。江戸時代から300年以上続くとされる室見川のシロウオ漁は、福岡に春の訪れを告げる風物詩として親しまれてきました。生きたまま流し込む「躍り食い」や天ぷらなどが有名です。

漁獲量は11年で10分1に


しかし、漁は今年も中止となりました。2年連続の休漁です。

室見川シロウオ組合 組合長 小石原義彦さん
「どうしようもない。漁をしようと思っても魚がおらんけん」

室見川のシロウオの漁獲量は、2011年には250キロありましたが、その後減少し、2022年には、わずか25キロになりました。

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