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急増する民間施設 10年で3・2倍に
今、こうした慢性期や終末期の利用者に特化した民間の有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅の開設が全国で急増しています。
財務省が審議会に提出した資料によると、訪問介護を実施する事業所の数はこの10年で約2倍に増え、このうち民間企業が運営する事業所だけをみると3・2倍となっています。
背景に「看取り難民」
背景のひとつは、「医療機関」の人手不足などにより終末期のケアが受けられなくなる「看取り難民」の問題です。おととし、国内で亡くなった人は、統計を取り始めて以降過去最多の156万人あまりとなりました。この「多死社会」の中、「看取り難民」が6年後の2030年には47万人に上ると推計されているのです。
財務省は課題を指摘「適正化を図るべき」
一方で課題も指摘されています。財務省は、去年11月に開かれた審議会で、介護業界の大手企業に比べ、こうした慢性期・終末期に特化した事業者の利益率が極めて高いという資料を公表。利用者の1か月当たりの請求額を見ると、全体の1%強が60万円以上、最大で116万円にのぼったケースもありました。「看取りの受け皿となっている現状はあるものの、極端に訪問看護のサービス提供量が高い事業者については、医療保険上の訪問看護の提供実態等を踏まえた上で、適正化を図るべき」と指摘しています。
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