PageTopButton

「ホスピス住宅」で暮らす末期がんの男性 「出生数最少」と「多死社会」誰がどこで看取るのか

自治体も「看取り」に危機感


住み慣れた地域で自分らしく人生の最期を迎えてもらうことで「看取り難民」を減らしていこうという取り組みは、行政側でも進められています。佐賀県医療センター「好生館」では、県から委託を受けて、「看取り普及啓発事業」を行っています。
 


佐賀県医療センター「好生館」 小杉寿文緩和ケア科部長
「どのような介護施設であっても看取りが実際に安心してできるように、介護施設の職員を対象に教育をするというプログラムです。緩和ケア病棟に実際に来ていただいて、どのような看取りをしているのか体験していただいたり、簡単な講義をしたり、われわれが介護施設に出向いて行って、一緒に勉強会をしたりという教育を行っています。」

「看取り普及啓発事業」の開始から約7年。緩和ケア病棟で実務研修を受けた介護施設のうち7つの施設が研修後、新たに施設での「看取り」を始めました。

佐賀県医療センター「好生館」小杉寿文緩和ケア科部長
「看取りができる施設を1件でも増やしていく、各地域にそういう施設がまんべんなくあるように安心してできるようにということを目指しています」

佐賀県では高齢者の8割が病院で死亡


人口10万人あたりの病床数が全国平均を上回り、高齢者の約8割が病院で亡くなっている佐賀県。今後は「医療機関」での「看取り」が難しくなることが予想されています。佐賀県では、介護職員への研修だけではなく市民を対象としたセミナーなどを通して、地元での「看取り」に取り組む施設が増えていくことを期待しています。
 


佐賀県医務課 中山貴大主事
「佐賀県の介護施設の現状を見ますと、なかなか看取りに対する知識経験の不足から普及が進みにくい状況でした。事業を継続して行うことで各施設介護施設や看取りをされる方も増えていくと思います」

この記事はいかがでしたか?
リアクションで支援しよう