PageTopButton

元工藤会系組幹部(50代)の告白 組員になるまでと離脱の決意、そして今

工藤会の「頂上作戦」から今年で10年、警察は捜査だけでなく「組からの離脱支援」も続けてきました。構成員の数がピーク時の5分の1となるなど工藤会の規模が年々縮小する中、組から離脱し一般社会で生活する男性は今、何を思うのでしょうか。

転機は2014年 相次ぐ組幹部の逮捕


ずっと続くかに思えた生活でしたが、転機が訪れます。2014年、警察が工藤会幹部を相次いで逮捕。「鉄の結束」と言われた組織に綻びが出たことで、Aさんの考え方も変わったといいます。

元工藤会系組幹部 Aさん
「指示がどこからどのように出ていた、と新聞やテレビで報道され始めて『もう無理だろう』と思いました。この世界で飯を食っていこう、死ぬまで極道を続けるという信念でずっとやってきましたが、野村総裁、ナンバー2、ナンバー3がああいう形で持っていかれて、流れですかね」

6年前、服役中に離脱した


6年前、恐喝の罪で服役中に組から離脱したAさん。出所後に自分で見つけた最初の職場ではうまくいきませんでしたが、警察の就労支援で紹介された運送会社では、すでに2年働いています。

元工藤会系組幹部 Aさん
「ここでリフトの免許を取らせてもらいました。日々進歩、乗るたびに自分の技術が進歩していく感じで。仕事は何でも大変ですね、でも楽しいですね」

会社の社長は「元組員だからこそ受け皿が必要」

運送会社の社長


運送会社の社長
「おお、お疲れさん」

運送会社の社長はAさんと出会った当時をこう振り返ります。

Aさんが勤める運送会社の社長
「実際に会ってみて『一生懸命やってくれるのかな、この人なら大丈夫かな』と思って『いいよおいで』と言いました」

勤める会社では、Aさんが元組員であることを隠していません。元組員を採用することで他の従業員が不安を抱く可能性はありましたが、社長は「元組員だからこそ受け皿が必要」と強調します。

Aさんが勤める運送会社の社長
「誰かが手を差し伸べないと。やり直したいという本人の意思を手助けして力になれるならなってあげて、そうしないとまた同じことを繰り返してしまう。うちは今後も受けますよ、暴力追放運動推進センターの担当者には、『誰かいたら紹介して』と言っています。」

Aさんが勤務する運送会社のように、福岡県警が取り組む組員の社会復帰対策に協賛する企業の数は現在377社。県警の社会復帰アドバイザーの助言も受けながら、これまでに114人が就労を果たしました。

福岡県警 社会復帰アドバイザー
「協賛企業は福岡が一番多いです。、大阪府警や警視庁も3桁はありません。こちらからも積極的に『こういう企業もあるよ』と離脱者にアプローチすることが多くなっています。」

この記事はいかがでしたか?
リアクションで支援しよう

深掘り!特集

もっと見る