実は、秋は冷凍食品の新発売の季節。「美味しさ」はもちろん、「便利さ」や「価格」などの観点からメーカー各社が創意工夫を凝らしています。そこで今回は、最新の冷凍食品市場を徹底解剖！
案内するのは、冷凍食品マイスター・電子レンジ料理研究家のタケムラダイさん（通称：冷食番長）です。20年にわたり2000食以上の冷凍食品を食べ続け、自身でも冷凍食品をプロデュースするほどのタケムラさんが解説する最新の冷凍食品の常識とは！？
※記事中に出てくる商品は、店舗や時期により価格や取扱いパッケージが異なる可能性があります
便利＆コスパ最強冷食の「業務スーパー」
安くて便利な冷食といえば、業務スーパー。やってきたのは、業務スーパー久留米東櫛原店（福岡県久留米市櫛原町）です。
コロッケは10個入りで224円、1個あたり22円と驚きの安さ！さらに、焼売は30粒入って267円、1個あたりおよそ9円！とにかくお財布に優しい価格帯が並んでいます。
そんな最強コスパがそろう業務スーパーの冷食のなかでも、タケムラさんイチオシは「揚げなす 乱切り」。ナスは、アクを抜くための下ごしらえなどが必要で、調理が少々面倒な野菜です。それらをすべて済ませてくれたものがこちらの商品。
なんとお値段、500g・181円！ 味噌汁にいれても良いし、煮浸しにしても良いし、使い勝手は抜群だとタケムラさん。おすすめの調理方法は「揚げなすそうめん」です。
材料は、揚げなす、そうめん、ツナ、めんつゆ、青ネギだけ。まず、めんつゆに揚げなすを冷凍のまま入れ、そうめんを茹でます。なんと、茹でている間にめんつゆの中で解凍されるのです。
約10分後。めんつゆが揚げなすに染み込んだのを確認したら、そうめんにかけあわせます。最後にツナを入れ、青ネギを散らしたら完成です。揚げなすの油の旨みとめんつゆの旨み、ツナの旨みが凝縮された一品です。
ほかにも、冷凍庫に常備しておきたいのが「オニオンソテー」（500g・300円）。ハンバーグやグラタン、カレーはもちろん、タケムラさんのおすすめは味噌汁に入れてコクをプラスする「オニオン味噌スープ」や食パンに塗って焼く「オニオンチーズトースト」です。
さらに、少し手を加えるだけで食卓が華やかになる「豚肉ロールキャベツ」（10個・429円）も欠かせません。タネをキャベツで包む手間を一切省いたこちらの商品で作るのは「ロールキャベツグラタン」。用意するのは、「豚肉ロールキャベツ」、ホワイトソース、とろけるチーズの3つです。
耐熱容器に並べたロールキャベツを電子レンジで3分ほど温めたら、ホワイトソースととろけるチーズをかけてオーブントースターにいれるだけ。あっという間にまるでお店のような一品の完成です。包丁も火も使わずに作ったとは思えないほどの仕上がりにびっくり！
秋の最新冷食ベスト3
秋冬は、1社から10商品ほど新商品が発売されるシーズン！そんな最新冷食の中で、タケムラさんが注目しているベスト3を聞きました。
3位：味の素冷凍食品「おべんとPON™」（オープン価格）
つくね、からあげ、とんかつ、メンチカツ、とり天の5種類を販売。袋が筒状になっているため、手を汚さずにそのまま「ポン！」と、お弁当の中に入れられるスグレモノです。自然解凍可能で、商品を組み合わせたら彩りも豊かなお弁当があっという間に完成！
縦長のパッケージのため、隙間収納も可能。スペース問題やトレイの切り離しの手間、トレイゴミのかさばりなど、あらゆる冷凍食品のお悩みを解消している点にも注目です。
2位：マルハニチロ「WILDishホルモン焼めし」（オープン価格）
第2位は、「チンしてあけたらすぐうまい」をテーマに掲げる「WILDish」からお目見えした新商品。パッケージの袋がそのままお皿がわりになるので、片付けの手間がかからない大好評シリーズです。
電子レンジ500Wで3分30秒温めるだけで、ワイルドな一品ができあがり。味噌と2種のコチュジャンでうま辛く味付けした一品は、封を開けた瞬間に食欲をそそるにおいがたちこめます。タレに漬け込んで焼き上げたホルモンもたっぷり入っています。
1位：キンレイ「お水がいらないあんかけうどん」（オープン価格）
キンレイの専売特許である「お水がいらないシリーズ」は、具材・麺・スープがひとつに冷凍されているため、お鍋にいれるだけで簡単に専門店さながらの味が楽しめます。今回新登場したのは、シリーズ初のあんかけです。
商品を鍋に入れ、かきまぜながら約9分半で完成。長めに煮込むと濃いめの味になるので、好みに合わせてつくれるのもうれしいポイントです。
冷凍食品とは思えない、ちょうど良いあんかけ具合。生姜と出汁の上品な香りが、体中にじんわりと染み渡ります。しんじょの食感にも驚きです。
番外編：冷凍 日清のどん兵衛「湯葉のあんかけうどん」（オープン価格）
タケムラさんいわく、今年の冷凍食品界は「あんかけうどん」が“くる”のではないかとのこと。日清からも登場するので、ぜひチェックしてみてください！
2024トレンド冷食 ～ラーメン編～
実は、ここ2～3年ずっとトレンドが続いている冷凍食品は「冷凍ラーメン」だとタケムラさん。
確かに、イオンモール香椎浜（福岡市東区香椎浜）の冷食売り場も、一列すべてが麺商品です。「家族それぞれ好みが違っても、一人ひとりが食べたい味を楽しめるのが冷凍食品」とタケムラさんは話します。「天下一品」や「ラーメン横綱」など、名店とコラボした商品もたくさん。
冷凍ラーメンの火付け役と言っても過言ではないとタケムラさんが断言するのは日清食品冷凍「日清本麺」（各397円※イオンモール香椎浜価格）。読んで字のごとく、日清食品が本気で作った麺がウリで、独自の技術「生麺ゆでたて凍結製法」を使うことで、茹でた直後の麺のような食感や風味を実現しています。
具材がしっかりのったラーメンなら、テーブルマーク「まるぐ」（各429円※イオンモール香椎浜価格）がおすすめ。具材・本格スープ・熟成麺にこだわった一品で、まるでお店のような見た目です。
2024トレンド冷食 ～ワンプレート編～
さらに、今最も注目を集めているのが、おかずとごはん、副菜が一緒になった「ワンプレート」の冷凍食品です。
なかでも、「チキンライスとデミグラスソースハンバーグ」（321円）など、トップバリュシリーズはお財布に優しい価格帯で展開中。
このワンプレート冷食、話題を集めたきっかけはなんとSNSだったそうです。
朝の忙しい時間帯、ワンプレート冷食をそのままお弁当に詰め替えるだけで豪華なお弁当が完成するといった投稿がバズり、一気に知名度があがったといいます。
もう少しボリュームがほしいという方には、トップバリュベストプライスの「ビ、ビンとびっくり ビビンバ＆ヤンニョムチキン」（537円）を。がっつり食べられて大満足です。
タケムラさんのイチオシはニップン「よくばり御膳 五目ご飯と鶏と野菜の黒酢あん」（408円※イオンモール香椎浜価格）です。スナップエンドウやナスなど5種の野菜がたっぷり入って炊き込みごはんまでついた、まさに“よくばり御膳”。冷凍とは思えない旨みや食感がたまりません。
※店頭で紹介している商品は、8月25日現在の価格のため、品切れの可能性があります
「道の駅むなかた」でご当地冷食探しの旅
タケムラさんの趣味は「ご当地冷食」探し。家族旅行でも外食はせず、さまざまな冷食を買い込んでホテルで食べるほどです。そんなタケムラさんイチオシの都道府県こそが「福岡県」！
なかでもタケムラさんが行ってみたかったという場所が「道の駅むなかた」（福岡県宗像市江口）です。「美味しい魚や野菜があるところには、美味しい冷食あり」と豪語するタケムラさん。
入店してすぐに飛び込んできた冷凍食品コーナーには「ぶり大根」（1,380円）や「天然ひじきドでかコロッケ」（580円）、「あかもく豆腐コロッケ」（80g×3枚680円）など、興味をそそる商品が並んでいます。
宗像でとれた魚の干物なども冷凍で並んでいて、魚介はかなり充実している印象です。スイーツも冷凍でたくさん販売されているなか、タケムラさんが「絶対に食べたかった」という商品を発見！
むなかた牛を扱った「むなかた牛まんまるコロッケ」（30g×6個 550円）と「むなかた牛メンチカツ」（70g×5個 980円）です。さらに「むなかた牛のもつ鍋」（2,180円）やハンバーグまでそろいます。
迷いに迷って8種類を厳選し、試食。そのなかでも、味＆コスパともに気に入ったベスト3を紹介します。
3位：むなかた牛ハンバーグ（150g 550円）
宗像の米農家で作られた飼料米などを食べて育った「むなかた牛」を100%使用した手ごねハンバーグ。解凍し、自分好みの焼き加減に仕上げたら完成です。
手ごねならではのきめ細やかさにうっとり。むなかた牛の甘みや肉肉しさのバランスが絶妙です。
2位：あなご茶漬け（950円）
宗像市は、穴子の水揚げ量が県内ナンバーワン。そんな穴子を漬けにした一品です。解凍したら、火を通さずに生のままごはんにのせてパクリ。ソフトな食感と穴子の旨みが、噛めば噛むほど感じられます。
この時期は冷たい緑茶でお茶漬けにするのもおすすめです。
1位：天然ひじきドでかコロッケ（580円）
「感動した！」とタケムラさんが絶賛したのがこちら。レンジではなく、170℃の油で6分揚げたら完成です。
中にはひじきがたっぷり詰まっていて、たちのぼる湯気とともにひじきの香りもただよいます。1位に輝くのも納得の商品です。
家事の負担が減るのはもちろん、お腹も心もハッピーになる冷凍食品。ぜひ試してみてください！
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