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入浴剤「バスクリン」の研究者たちが、高田課長と一緒に大分・別府の温泉を科学的に調査。大分の温泉パワーを評価します。さらに、驚きの入浴剤製造現場も公開!
人気の入浴剤バスクリンと言えば「日本の名湯シリーズ」
手軽に温泉気分を味わえるものと言えば「入浴剤」。なかでも人気の入浴剤が、あこがれの名湯を贅沢に詰め込んだ「日本の名湯シリーズ」です。

この商品を手掛けているのは、さまざまな入浴剤の開発に携わった、バスクリン開発生産本部の杉浦満さん。そんなお湯の分析の達人たちが別府の温泉パワーを解き明かします。
開発チームは3人1組。温泉成分を把握し、処方を考案。お湯の色を考える製剤担当が杉浦さん。さらに、温泉やまちの香りをもとにお湯の香りを考える調香担当の佐々木大輔さん、温泉地の印象からパッケージデザインを考える企画担当の和田卓也さんの3人が大分・別府をめぐります。

バスクリンの開発チームは、1つの温泉地でも成分や湯ざわりなどが変わるため、2泊3日で約30カ所を巡るそう。杉浦さんたちはこれまで200以上の温泉地を巡ってきました。
※入浴中は許可を得てタオルを着用しています。
別府温泉にある「海門寺温泉」(大分・別府市北浜)
最初に訪れたのは、JR別府駅周辺の繁華街にある別府温泉。昭和11年に市営温泉として開業した「海門寺温泉」(大分・別府市北浜)へ。
「あつ湯」と「ぬる湯」の2種類があります。「硫黄の香りはあるがクセのない優しい感じ」と、お湯のにおいを表現した佐々木さん。

杉浦さんは手首の内側をこすりあわせて湯ざわりを確認していました。泉質はナトリウム—炭酸水素塩泉。炭酸水素塩泉がツルツルした肌の感じをもたらします(※)。

お湯の感触はぬるい湯のほうがわかりやすいとのこと。温度が違う浴槽があれば必ず確認します。

温泉分析書で細かな成分をチェック。

入浴後、欠かさず温泉の評価をします。海門寺温泉は、やわらかさ、すべすべ感、なめらかさが最大値の5の評価!
※杉浦さんの見解です。
入浴料金 | 大人 250円 こども 100円 |
不動明王が……! 鉄輪温泉「谷の湯」(大分・別府市鶴見)
2湯目は、別府八湯のなかでも最も多くの源泉をもつ「鉄輪(かんなわ)温泉」。高田課長おすすめの「谷の湯」(大分・別府市鶴見)にやって来ました。
浴室には、なんと不動明王が祀られています。

泉質は塩化物泉。「硫黄と鉄分の香りが。甘さもあるかな」と佐々木さん。杉浦さんは、「塩化ナトリウムが主なので、出たあとポカポカする(※)」とのこと。

「谷の湯」の分析結果は、温もり感とやわらかさが最大評価の5でした。
※杉浦さんの見解です。
入浴料金 | 大人 150円 こども 50円 |
まち歩きや情報収集も開発のポイント
周辺を散策して景色などに触れるのも調査の一環。地元民からの情報収集も重要です。
「熱の湯」(大分・別府市鉄輪)は無料で入れる地元の温泉。路地からこぼれる湯けむりを浴びながらまちを散策します。

「鉄輪むし湯」(大分・別府市鉄輪)には「石菖(せきしょう)」という薬草の上に寝っ転がって入浴するスチームサウナ風の温泉があります。
名物も温泉を構成する大事なポイント。
「地熱観光ラボ縁間」(大分・別府市鉄輪)では地獄蒸し料理が楽しめます。
蒸し窯使用料 | 500円 |
地獄蒸し玉子 | 1個 150円 |
1100年以上の歴史を持つ「紫石(しばせき)温泉」(大分・別府市野田)
3湯目は、鉄輪温泉の隣にある「紫石(しばせき)温泉」。1100年以上の歴史を持つ温泉郷です。
その名を冠した「柴石温泉」(大分・別府市野田)の泉質は、単純泉と塩化物泉。2つの源泉が混ざったハイブリッド温泉なんです。
「すごく温まるお湯ですね」(※)と杉浦さん。「メタケイ酸で美肌に良い」(※)とも教えてくれました。

令和元年の調査で、なんとメタケイ酸が増量していたようです! 「浸かる美容液」とも呼ばれています。

「土の匂いもあります」と佐々木さん。
他にも、共同浴場ではめずらしい「蒸し湯」や「露天風呂」もあります。

紫石温泉の分析結果は、温もり感となめらかさが最高値の5の評価に!
入浴料金 | 大人 300円 こども 100円 |
硫黄泉で有名な明礬温泉の「湯屋えびす」(大分・別府市明礬)
続いては、別府ならではのパワー温泉「明礬(みょうばん)温泉」。古くから湯治場として栄えてきました。
なかでも成分が強いと評判の「湯屋えびす」(大分・別府市明礬)へ。

泉質は単純硫黄泉。硫黄の香りが広がります。
「これが入浴剤の教科書」と杉浦さん。佐々木さんも「硫黄がしっかりして良い香り」と絶賛していました。

分析の結果は、やわらかさ、すべすべ感、なめらかさが最大値の5と評価!
入浴料金 | 大人 1,300円 中学生 600円 小学生 400円 |
入浴剤「日本の名湯」の開発現場に潜入!

こうして達人たちが全国を旅することによって「日本の名湯」シリーズが完成しているんですね。

実際の製品と別府温泉の成分を比べてみると、青が別府温泉。赤が入浴剤。成分数値はほぼ同じです!
さらに、入浴剤評価室で作った入浴剤を評価します。
「日本の名湯 別府」の色は、湯けむりとレトロ感をイメージ。湯ざわりまで温泉に近づけます。さらに、サーモグラフィーや血流測定も実施して完成します。
体の芯から温まり、それが持続してポカポカに!

全国のさまざまな温泉気分を自宅で楽しめる「日本の名湯シリーズ」。ぜひ試して温まってください!
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