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大地をつなぐ!幻の西洋野菜

鹿児島県大隅半島。インゲンやキヌサヤの産地として知られる垂水市で新たな野菜の収穫が始まった。掘り起こしたのは、大根?白いニンジン?…日本では珍しい幻の野菜、ヨーロッパ原産の「パースニップ」だ。
青果市場として野菜の卸売りを手掛ける「垂水大同青果」の小谷豊さん(56)小谷真知子さん(57)夫婦が6年前に生産を始めた。桜島に近い土地だが、地中で育つパースニップは降灰の影響を受けにくい。徐々に収穫量も増え「天候に左右されない安定した収量」を見込み産地化を目指している。

市場として野菜を扱うなか、小谷さんたちは農業のめくるめく変化を実感してきた。農家の高齢化、耕作放棄地の増加、そして市場を介さない販売経路の多様化。年々地元産の収量が減る中、パースニップの生産は農業をつなぐ一筋の光…インゲン、キヌサヤに次ぐ「第3の野菜」を目指す。課題は、いかにその存在を知ってもらうかだ。

パースニップには料理人も注目。さらに、鹿児島大学との共同研究で食物繊維が豊富で体の細胞を守る抗酸化活性が非常に強いことがわかった。幻の西洋野菜を地元野菜に・・・国産パースニップの産地化を目指す市場の挑戦を追う。

会社名:垂水大同青果株式会社
代表:小谷 豊
住所:鹿児島県垂水市錦江町1-201
電話:0994-32-3456
FAX:0994-32-4972
HP:https://tarumizu-daidouseika.co.jp/
その他:営:10:00~15:00/休:日曜・水曜・祝日

取材後記

見た目はスリムな“大根”、ホクホクした食感は“じゃがいも”。日本では輸入ものがほとんどだという西欧野菜「パースニップ」の栽培に踏み切った小谷さん夫婦。農業経験はなく、最初は家庭菜園からスタート。試行錯誤をへて地元農家と一緒に産地化に向けての地道な栽培を続けています。大きく茂る葉が桜島の降灰の影響を防ぎ、水はけのいいシラス台地とも相性がいい。寒さに強いことから12月~4月頃まで収穫時期が続きます。

青果市場を運営しながら地元の農業を長年見てきた小谷さん、思い立ったらすぐに動く真知子さんの行動力が西欧野菜を垂水の畑に根付かせました。新たな地元野菜を農家の力に、耕作放棄地の再生に・・・。クリスマス時期に必ず食べるイギリス人からは「日本にある!」と喜ばれ、首都圏のレストランからも注文が入ります。手軽な食べ方は「レンジで1分半加熱、オリーブオイルで炒める!」垂水パースニップ、一度味わってみませんか。
 

 

(MBC南日本放送/布袋 貴代江)

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