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日本最古の気象台

「日本最古の気象台」と呼ばれる場所をご存じでしょうか。佐賀県みやき町の綾部八幡神社。ここでは平安時代から宮司さんが御神木に掲げた一枚の旗を見上げ、日々風の向きや強さ、雨量などを観測・記録し、その年の天候を予想しています。


私が驚いたのは今年7月に発表された予想です。そこには「九州地方への台風被害は少なく、本州方面の被害の方が大きい」と書かれていたのです。まさに予報通り。今夏は九州に大きな影響を及ぼした台風はなかった一方、関東など本州には影響が相次ぎました。

さらに雨については「令和の8年間の平均雨量としては少ない方となるでしょう」と予測。実際、九州北部は現在深刻な水不足に見
舞われていて、これも的中したと言えそうです。現代の技術をもってしても長期的な予報は難しいのですが、800年近くも続く観測
の蓄積が天候の行方を捉えていたのです。

先月、今年の役目を終えた神旗が降ろされました。ほとんど傷みがなく、これからも干ばつ傾向が続く恐れがあるといいます。

災害が起きないよう毎日祈り、空を見つめてきた人々の観測と経験。私も画面上の数値だけに頼るのではなく、自ら外の空気を感じて予報に臨もうと、改めて身が引き締まる思いです。
 

横尾槙哉=RKB気象予報士・防災士
毎日新聞福岡版 2026年10月10日掲載

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横尾槙哉