「テストで負けたら裸写真」わいせつ画像の“要求・拡散”中高生の被害10年で2倍に【レイワの放課後】

若い世代の「いま」を描くシリーズ企画。今回は、SNS=会員制交流サイトで、わいせつな画像を要求され、拡散されてしまう性被害についてです。福岡市などでもこのところ中高生の被害が相次ぎ新型コロナの影響を指摘する声も上がっています。

 

「自分を大切に」要求被害は10年で2倍に

(制作動画のナレーション)「裸の写真を撮らない送らない要求しない」

福岡市西区の筑前高校で生徒会の2人が警察官と一緒に動画を制作していました。

生徒会長・内田真央さん(17)「アバターに喋ってもらう分の台詞を編集しています」

テーマはSNSなどを舞台にしたいわゆる「自画撮り被害」。裸の写真を撮って送るよう相手に要求されたり脅されたりする事例を紹介し、被害を防ぐのが狙いです。

生徒会副会長・荒井智陽さん「この動画を作るうえで軸となったのが、自分をもっと大切にしてほしいということでした」

 

警察庁によると去年、全国で500人を超える未成年の男女がわいせつな画像を要求され拡散されるなどの被害を受けました。ここ10年ほどの間で2倍以上に増えています。

福岡市でも今年に入り西区内の複数の中学校や高校を中心に同じような被害が急増しているということです。なぜ、被害は後を絶たないのでしょうか。

“テストで負けたら裸の写真”女子高校生「断りづらい」

女性(19)「元カノの裸同然くらいの写真を元彼がストーリーに上げているのが回ってきたみたいのはあります」
女子高校生「見ました回ってきたの。裸の写真を回されたみたいな。で、グループラインに拡散されてました。もう裸でした普通に」

実際にわいせつな画像を要求されたことがある女子高校生からも話を聞くことができました。

女子高校生「ノリで言ってきたみたいな感じだったけど、向こうからしたらけっこうガチで言ってきました。テストで勝負して負けたら裸の写真とか普通に言われました。なんか断りづらいっていうかなんて言ったらいいか・・」

警察も取締りを強化していて福岡県警は12月、SNSで知り合った女子中学生に裸の写真を撮らせるなどしたとして、大阪市の男を逮捕しました。福岡市に住む大学生の男は、SNSで女性になりすまして男子高校生と連絡。わいせつな動画を送らせて拡散すると脅して車の中で性的暴行を加えたとして12月、逮捕されています。

海外は厳罰化の一方、日本は“条例”で対応

一方で、自画撮り被害の対策をめぐっては、日本の法規制が海外に比べてあまり進んでいないと専門家は指摘します。

田代純一弁護士「欧米は5年とか10年とか長いところは15年の刑罰が最大で課せられるが、日本では長くても5年とか。海外はできる限り規制はどんどんしていって、厳罰化している傾向にあります。わいせつ画像を送らせる行為自体が今条例で定められているが、例えばそこを法律の方で定めることで法意識が高まる」

児童ポルノ禁止法では、わいせつな画像を子供たちに「要求する行為」そのものが規制されていないため、全国の自治体はそれを補うように相次いで条例を改正しています。福岡県では2019年から、佐賀県も2020年から条例を改正して「要求行為」を禁止しました。

裸をAIが判定 写真撮れないアプリ

こうした中、SNSの犯罪から子どもたちを守るための最新技術も登場しています。

RKB吉松真希「カメラで下着姿の写真を撮ろうとすると…不適切と判断され保存することができません。同時に保護者の端末にも通知が届くようになっています」

東京の企業が開発した「TONEカメラ」というスマートフォンのアプリ。裸や下着姿といったわいせつな画像をAI=人工知能が検知して撮影できないようにするものです。保護者のスマホにも撮影の日時などについて通知される機能がついています。開発企業の担当者はコロナ禍で在宅時間が増えたこともあり、緊急事態宣言中に不適切な画像の検知件数が急増したと話します。

トーンモバイルスマホあんしんラボ・工藤陽介所長「新型コロナで家にいる期間が増えてスマホを触る時間が増えると、不適切な画像の検知も増えるので、子供の利用時間の長い短いと危険性の増大は相関関係はあると思っています」

若い世代にとって身近なSNSを通じてまん延する性暴力。正しい知識やモラルを身につけるだけでなく、被害を防ぐための様々なアプローチが求められています。

「後ろめたさから被害訴えにくい」側面も

田畑キャスター
スタジオには取材した吉松真希記者です。公開されては困る画像をなぜ送ってしまうのでしょうか?

RKB吉松真希
街で取材すると、交際相手を信じているからこそ断り切れずに送ってしまう。送ったら、別れた後に拡散されてしまう被害が多いという印象です。警察が把握しているのは氷山の一角で、実際のかなり多いというのが実感です。

池尻キャスター
被害を訴えられない理由があるのでしょうか?

RKB吉松真希
被害を受けた少年少女は、自分自身に責任を感じたり、保護者に知られたくない後ろめたさから被害を訴えにくいのではと感じています。
そしてVTRに出たアプリなんですが、すべてのスマホで利用できるわけではありません。このようなアプリがより普及することが望まれます。

田畑キャスター
デジタルって残るんですよね。今っていうことだけ見つめてないと、その先を中々考えられないこともあるんですよね。自分を守るためにしっかり自分を大切にしてもらいたいと思います。

(お断り:登場人物の年齢や肩書きはすべて2021年12月の放送当時のものです)

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