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【解説】最前線の医師が語る「“過去最多”と“猛暑”の関係」新型コロナの第7波

福岡大学病院ECMOセンターの石倉宏恭(ひろやす)センター長に生中継で新型コロナについて伺います。

12日は熊本や大分、鹿児島など各地で感染者数が過去最多を更新しました。これは第7波に入ったとみていいんでしょうか?

◆石倉医師:
そうですね、6月20日以降の新規感染者の数を見ると第7波が来たと言って良いと思います。

今年1月にオミクロンのBA.2があれだけの脅威で感染者が増加しましたよね、それと同じ、あるいは感染力はBA.5が強いと言われていますので、感染者が増える可能性は想定しておいた方がいいと思います。 池尻キャスター:
過去最多を更新した佐賀県の山口知事は次のようにコメントしています。

山口知事「感染者は増えているが医療的ケアが必要な人、死者は少ない。BA.5がどのような特性があるかもう少し見定めたい」 宮脇キャスター:
ただ、ここに来て増え方のペースが少し違います。福岡県の1日ごとの感染者数をカレンダーでみると7月5日から2倍以上のペースで増えています。石倉先生、この要因は何だと思われますか? ◆石倉医師:
1つはやはり規制が緩和されたことと、BA.2からBA.5への置き換わり。6月に経験の無いような猛暑が襲いました。ここでまだ暑さに慣れていないので、免疫力が低下したり、どうしても換気がおろそかになったりということに加え、ワクチンも3回目を打った人がちょうど半年ぐらい経って免疫力、抗体値が低下する時期。そういうことが重なって今の状況に至ったと考えています。 池尻キャスター:
その3回目接種について福岡県の接種率をみると全国で4番目に低い数字となっています。

それと今回は子供の感染が多くなっています。11日発表された県の所管分を年代別でみてみると10代以下でおよそ40%を占めています。

家庭内の感染も増えているようですが子供の感染が増えているのはどうしてなんでしょうか?

◆石倉医師:
まず小学校とか学校ですよね、規制が少し緩和されたこともありますし、小児の方は免疫力が成人よりも低いと、猛暑で体力が低下したことが重なったのが要因かなと思います。

宮脇キャスター:
学校生活は黙食の解除も含めて少しずつ元に戻りつつある中でまた引き締めなきゃいけないんですかね?

◆石倉医師:
過度に引き締めると言うよりも、基本に立ち返ることが重要だと思います。最近、屋外でマスクを外す方が増えてきたかなと思います。ディスタンスをとっていればいいですが、少し考えをもう一度原点に戻してもいい。

宮脇キャスター:
まもなく夏休みに入りますが今年はプールや海水浴も再開しています。どんな点に注意したらいいでしょうか?

◆石倉医師:
気がどうしても緩みますよね、何度も言いますが原点に立ち返る三密を避けるや手洗いをするマスクをする。個人個人が自覚を持ってそれを実行することでできるだけ波を小さい波にすることも必要かと思います。

宮脇キャスター:
一度新型コロナに感染した人も再び感染する可能性はあるんでしょうか?

◆石倉医師:
BA.2からBA.5へ置き換わり、BA5はワクチンを打っていても感染のリスクが高いことが海外のデータで分かってきていますので油断はできないと思います。

池尻キャスター:
このところ感染者が急増していますが重症病床の使用率はまだ0%と重症化のおそれは低いように思えるんですが以前と違うのはどうしてなんでしょうか?

◆石倉医師:
これから先、感染者が増えて、その後を追って重症者が増えるのがこれまでの傾向ですので、もう少し7月下旬ぐらいになると、重症患者が増えると我々は念頭に置いてエクモセンターの再開の準備に取りかかっています。

宮脇キャスター:
感染者数はどこまで増え続けるんでしょうか? ◆石倉医師:
これまでと違うのは、佐賀県を含め島根、鳥取など過去最多を記録している県が複数ありますので、1月の第6波を超える危険性は考えておくべきだと思います。

宮脇キャスター:
私たちが注意すること、対策を改めて教えて下さい。

◆石倉医師:
原点に立ち返ることですね、このウイルスはどういうウイルスかまったく分からない状況でしたが、今は少しずつ分かってきて、いくかの行動で感染リスクが減ることが分かっています。それを実行することが第7波の防止につながると思います。

きょうは福岡大学病院ECMOセンターの石倉宏恭センター長に話を聞きました。石倉先生、ありがとうございました。

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