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「子供の近視」が増加~夏休み“スマホ・タブレット”使いすぎに注意を

小学生や中学生など子供の世代で、近視の割合が増えていることが、国の調査でわかりました。原因の一つに、スマホやタブレットなどを見る時間が増えたことがあるとされていて、夏休みで自由時間が増えるこの時期、使いすぎに注意が必要です。

「黒板の字が少しぼやけて」

子供の来院者が多い、福岡県粕屋町の眼科です。この日も多くの小学生や中学生が診察を受けていました。

小学4年生「4年生入ったぐらいから、細めないとちょっと見えないときがある」
中学1年生「黒板の字が少しぼやけていたり、タブレットを使って授業するときも、少し小さい字が見づらかったりするので」

受診の小中学生 約70%が“近視”

年々増加する「動画視聴」時間

この眼科では、去年1年間に受診した小・中学生の約70%が、「近視」または「近視の疑い」と診断されました。若年層で「近視」が進行する原因には遺伝もありますが、日頃の生活など社会的要因も大きいと医師は話します。
川原眼科 川原周平理事長「近くで見る作業、近見作業が増えているということです。タブレットを見る、本を見る、スマホを見る、そういう時間が増えていくことによって近視が増えていると言われています。家庭で気をつけても、学校でパソコンとかタブレットするので避けられない状況になっている」

「屋外での遊び」減少も要因の一つ

近視のメカニズム

目は通常、角膜から入った光を、伸び縮みする水晶体がレンズのように屈折させ、網膜に焦点を合わせることでハッキリと見えます。

しかし、近いものを見すぎると、角膜から網膜までの距離=眼軸長が伸びてきます。この場合、逆に遠くを見たときに焦点が網膜より手前に来て見づらくなり、近視が起きるのです。

「屋外での遊び」減少も要因の一つ

また、新型コロナの影響で屋外で遊ぶことが減ったのも、近視が増えた要因の一つだといいます。
川原眼科 川原周平理事長「太陽光にもいろいろ成分が含まれているので、中でもバイオレット光というものが、近視の進行を抑える作用があるというデータが出ています。外で遊んでいるとバイオレット光も自然に浴びるので、近視が進みにくくなります」

近視のメカニズム

川原周平理事長「近視が強くなってくる、強度近視になってくると病気を発症するリスクっていうのが大人になって上がってくる。例えば、眼底出血であったりとか緑内障であったりとか網膜剥離であったりとか、近視が原因になってくる。子供のときに近視をできるだけ強くしないっていうことが、大人になって病気にならない予防になる」

「スマホ内斜視」にも注意

「時々、目を休めることが重要」

【文部科学省が勧める予防法】

小さい画面を見続けることが引き起こす症状は、ほかにもあります。

この患者は、片方の黒目が内側に寄っています。「急性内斜視」=通称「スマホ内斜視」とも呼ばれ、物が二重に見えるなどの症状が現れます。
川原周平理事長「要は近くでずっと見ていると寄り目になってしまうので、筋肉が内側によるのが強くなってしまって戻らなくなってしまう。スマホ内斜視は基本的に治らないと言われているので、最終的に手術の治療が必要になることもあります」

「時々、目を休めることが重要」

【文部科学省が勧める予防法】

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