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品定めに異変、円安でおせちに“値上げ”の波 カニは種類変更~福岡

おせちにはタラバガニやカズノコなどの輸入品が多く使われ、円安による値上げの波が直撃しています。新年向けの予約が始まる中、仕出し店は材料の調達や価格の調整に頭を悩ませています。

おせち売り場には今年も長い列

福岡県内の百貨店では最も早く「おせち」の予約を始めた小倉井筒屋。地下の特設売り場を訪ねると開店と同時に整理券を求める人が長い列を作っていました。

小倉井筒屋は今シーズン、全国の老舗料亭や有名ホテルが手がけたものに加え、地元の西南女学院大学の学生が考案した商品など計278種類のおせちをそろえました。
品ぞろえを増やしたのが3人前以上のおせちです。新型コロナによる行動制限が徐々に緩和されていることから、帰省する人がより多くなると見込んだからです。
買い物客「同じ値段のこの2つ、どっちがいいかなと思っています」
どれにするか悩むお客さん。その要因が値上がりです。原材料の高騰や急激な円安の影響がおせちにも及んでいます。

タラバガニ→ズワイガニに変更、カズノコは国産品に

RKB正福里奈「おせち料理に使われるほとんどの食材が値上がりしています。特に高くなっているカニが入ったおせちは1000円ほど値上げされます」
創業53年、福岡市早良区にある老舗の仕出し店を訪ねました。いせエビやタラバガニなど豪華な食材がふんだんに詰め込まれたおせちを約2000個を販売する予定です。来月1日から予約を受け付けます。
松幸2代目・岡田幸治副社長「タラバガニはそんなにたくさんは入ってこないので今年はズワイガニに変えると思う。漁獲量が少なく原油高なので、輸入物が円安の影響を受けていますね」

おせちには欠かせないカズノコはこれまでアラスカ産を使用していましたが、円安の影響で価格が上がったため今年は国産に変更しました。
岡田副社長「昔に比べて20パーセントくらい上がっている。国産は粒の大きさとか食感が変わってきますね。全体の大きさもちょっと国産の方が大きい。(消費者にとってはありがたい?)そうですね、ありがたいと思いますけど」

気候変動も食材価格を左右

影響はこれだけではありません。温暖化などの気候変動も食材の価格を大きく左右します。
岡田副社長「赤潮が出て去年は北海道産のイクラがほとんど入らなかったことと、丹波産の黒豆も流通量が今年は少なく値上がりしています。気候変動の影響かもしれません」
また、原油価格の高騰でおせちを詰める容器なども値上がりしています。すでに販売価格の設定は済んでいますが今後、物価高や円安がさらに加速するおそれもあり、岡田さんは頭を悩ませています。
岡田副社長「利益を削っていくしかありません。おせちにはその年1年の抱負や希望が込められているんですね。おいしく安全な物をリーズナブルな価格で出したいと思っているんですけど」

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