中心部はいつもノロノロ“交通渋滞”に新市長のアイデアは?~福岡市長選挙

福岡市長選の焦点は、未来の“交通システム”だ。福岡市は空港が市街地に近いことから、対外的には「交通アクセスがいい」と思われている。しかし、市民は中心部の慢性的な渋滞に頭を悩ませている。交通アクセスの悪い坂の多い場所も少なくない。都市の成長に伴い浮かび上がってきた交通システムのぜい弱さに、3人の候補者はどのように向き合うのだろうか。“新たな交通マスタープラン”“鉄道の複線化”“自動運転システム”“路面電車”などの様々なアイデアが飛び出している。

連接バス導入も中心部はいつもノロノロ

163万人が暮らす福岡市。再開発が進む天神地区で長年、市民の悩みの種となっているのが「交通渋滞」だ。

市民「朝の通勤とか帰宅ラッシュの混み具合はすごいですね。バスの遅れがなくなったら嬉しい」「仕事の時は車で移動したりします。混んでいる時はすごく混んでますよね。(対策としては)一般車を入れないほうがスムーズなのかなと、でもみなさん困るから難しいですよね」

渋滞の解消に向けて福岡市は、これまでもさまざまな対策を打ち出してきた。西鉄と連携し一度に多くの乗客を運べる連接バスを導入。また、天神の中心部から少し離れた駐車場の料金を最大500円にして、目的地までバスで移動してもらう「フリンジパーキング」も実施している。

さらに、来年3月末には地下鉄七隈線の天神南駅から博多駅までの延伸区間が開業し、マイカーから地下鉄へ通勤手段を変える人が増えると期待されている。

3人が描くそれぞれの交通未来図

都心部への自動車の流入量は、1990年から2019年にかけて2割ほど減少した。それでも慢性的な渋滞は解消されていない。市長選の候補者は「交通」についてそれぞれ公約に掲げている。

▽高島宗一郎氏
現職の高島郎氏は、西部の百道地区や九大伊都キャンパスなどへのアクセス強化を念頭に、新たな交通マスタープランを策定したいと訴える。

▽熊丸英治氏
新人で会社員の熊丸英治氏は「交通網がまだ弱いところがある」と指摘。自動運転による交通システムの導入や、西鉄貝塚線を買収し路線を複線化するなど再整備を目指すとしています。

▽田中慎介氏
新人で元福岡市議の田中慎介氏は「都心部を市民に開放する」と意気込む。二酸化炭素排出量の削減も含め、都心を循環するLRT=次世代型路面電車の導入やパーク・アンド・ライドの促進を掲げる。。

“買い物弱者”病院へ行くのに一苦労

課題は都心部にとどまらない。アクセスが不便な地域で暮らす人の足の確保も急務だ。「ちょっと病院に行くのに往復2000円かかる」とこぼすのは福岡市東区の美和台地区に住む人だ。坂道が多い割に公共交通機関に乏しく、高齢者は駅や病院、スーパーマーケットに行くのも一苦労だ。

田口桂子さん(79)「今は1時間に1本くらいしかないんですよねバスが。それ以外はタクシーしかない」

田口さんは、数年前に運転免許証を返納して以来、食料品は週に2度、巡回してくる移動販売車で購入している。「甘木の八百屋です!お野菜はいかがでしょうか」移動販売車がやってきた。高齢者にとって野菜や米を購入できる貴重な機会だ。

田口さん「お米は重たいでしょ?みなさん車は廃車されたので、便利で本当に助かっています」

「作り直す」「自動運転」「支援タクシー」

こうしたいわゆる「買い物弱者」を候補者はどのように向き合うのだろうか―。

▽高島宗一郎氏
「福岡市全体の交通の枠組みをもう1回作り直していくこと。これは次世代のために種をまく意味でやっていきたい」
▽熊丸英治氏
「車両をたくさん用意することで福岡市の周辺部で困っている方のところに自動運転の車を配置していく」
▽田中慎介氏
「生活支援タクシーは実証実験レベルですけど、全市的にすぐにでも展開していきたい」

市民の暮らしに直結する交通環境をどう改善していくのか。次のリーダーを決める福岡市長選挙は今月20日に投票と開票が実施される。

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