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「損得ではない、やらねば!」カーボンゼロの先“マイナス”を目指す九州電力

社内有志が取り組む「ゼロカーボンチャレンジ宣言」を足がかりに、九州電力が野心的な目標を定め、社長も旗振り役として”まい進”している。各企業が二酸化炭素の排出を少しでも減らす努力を続ける中、九州電力が目指すのは「排出ゼロ」の先を行く「マイナス」。技術面で支えるのが「蓄電所」の新設だった―。

(国連は世界の平均気温の上昇を産業革命前と比べて1.5℃に抑える目標を掲げています。RKBは地球温暖化を防ぐ取り組みを連載しています)

73項目から選ぶ「チャレンジ宣言」

「地域の資源回収やリサイクルステーションに持っていきます」紙の分別に取り組むのは、九州電力で働く若狭英樹さんです。以前から古紙回収には取り組んでいたものの、あることがきっかけで生ごみコンポストや食品トレイの回収など、新たな取り組みを始めた。
若狭さん「ゼロカーボンチャレンジ宣言の呼びかけがきっかけです。家族も巻き込み、社が取り組んでいることを話すきっかけができました」
九州電力が今年6月から始めたのが「ゼロカーボンチャレンジ宣言」。社員一人一人が、「マイボトルを使用する」「移動を車から徒歩に変える」などの73項目から選び実践する。あくまでも自主的に行う取り組みで、九州電力グループ全体で8500人あまりが参加しているという。

カーボンゼロではなく「マイナス」目指す

九州電力・池辺和弘社長「東京で会議が多いのですが、交渉してできるだけリモートで出させていただく。年に5回くらい出張をやめれば、980キログラム減らせる。そういう宣言なんです。私たちは2050年よりもできるだけ早く、カーボンマイナスになろうと。CO2を出さないだけじゃなくて、電化に取り組むとか海外で再生可能エネルギーに取り組むとか。グリーンハウスガス(温室効果ガス)の排出量をマイナスにしようと非常に野心的な目標を立ててます」

九州電力は、供給する電力の半分以上をすでに石炭や天然ガスといった化石燃料に頼らない電源で発電し、全国の大手電力会社の中でトップを走る。

今年5月には大分県で地熱発電に適した場所を探すための試験を始めた。また山口県下関市にバイオマス発電所を設置。九州以外でも脱炭素化を進め、2030年までに再生可能エネルギーを主力電源にする目標を掲げる。

九州で2か所目の「蓄電所」

社長「メリット・デメリットを比較する話しではない」

九州電力は、自社で使う車を電気自動車に順次、置き換え、関東のマンションで電気自動車のカーシェア事業を始めた。
池辺社長「CO2を出さない電源を作ること、再生可能エネルギーの原子力を積極的に活用すること。使う側で、電化をもっともっと進めていきたいです。メリットやデメリットを比較してやるやらないの話ではありません。すべての人、すべての企業が絶対に自分のこととして取り組まないといけないだいじなことです。地球温暖化という非常に大きなテーマ、非常に大きな脅威に最大限の努力をしたいです」
日照条件が良い九州では、全国で最も太陽光発電が普及している。ただ、天候や時間帯によって発電量の変動が大きいため、需要が少ない時間帯に電力が過剰に供給され大規模な停電につながるおそれがある時は、電力の受け入れを止める「出力制御」を実施する。
岡元さん「地域資源の有効活用につながる、だいじな取り組みです。知見を蓄えて、再エネを最大限に受け入れたいです」
今後、電気自動車の普及に伴って排出量が増える中古の蓄電池を活用しながら、出力制御で無駄になる電気を有効活用する。

社長「メリット・デメリットを比較する話しではない」

九州電力は、自社で使う車を電気自動車に順次、置き換え、関東のマンションで電気自動車のカーシェア事業を始めた。
池辺社長「CO2を出さない電源を作ること、再生可能エネルギーの原子力を積極的に活用すること。使う側で、電化をもっともっと進めていきたいです。メリットやデメリットを比較してやるやらないの話ではありません。すべての人、すべての企業が絶対に自分のこととして取り組まないといけないだいじなことです。地球温暖化という非常に大きなテーマ、非常に大きな脅威に最大限の努力をしたいです」

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