長浜の屋台から始まった福岡・ラーメン居酒屋の横綱

長浜の屋台から始まった福岡・ラーメン居酒屋の横綱

愛称“やまちゃん”。
と言えば、福岡市民、中でも筋金入りの豚骨ラーメンファンは「長浜屋台 やまちゃん」を真っ先に連想するでしょう(確信)。
1985年創業の同名の屋台(2014年閉店)を源流とし、現在は路面店の天神と中洲店で正統派長浜ラーメンを守り続ける超名門。
シメの豚骨ラーメンまでバリうまの居酒屋、来福した著名人も多く訪れる店としても有名ですから、飲みの流れで深夜に行き着いた方、またガイドブックを見て、地元民にプッシュされて訪麺した観光客も多いと思います。

やまちゃん外観

僕自身で言うと約25年前の20代始めの頃、親不孝通りで遊びまくっていたこともあり、「長浜屋台 やまちゃん 福岡天神店」には特別な思い入れがあります。僕(現在45歳)と同世代か少し上、1990年代から2000年初めにかけての“親不孝キッズ”たちは、きっと懐かしんでくれずはずです。

まず、「やまちゃん」の原点である屋台は長浜屋台群の一番奥(北側)にありました。一方、一番手前(南側)にはこれまた伝説の屋台「ナンバーワン」。今振り返ると「やまちゃん」「ナンバーワン」の2大屋台が両端でひと際長い行列を作っていたことで、長浜全体が盛り上がっていたように思います。そして、「やまちゃん」の初代・山口浩城さんが「席が限られている屋台に入りきれないお客さんを帰すのは忍びない」と始めたのが、屋台から徒歩圏内、親不孝通りの「福岡天神店」です。初の路面店はキャパが広く天候に左右されないのに加え、屋台では出せない刺身なども提供できることもあり大人気に。2000年前後って、親不孝通りは本当に若者であふれかえっていたんですよね。長浜公園の裏手、ボワリと浮かぶ提灯の元で営業している「やまちゃん」には、周辺で遊んだ若者、ライブ、野球を見にきた観光客も集まっていました。親不孝通り最盛期から時代を経て、昨今のコロナ禍になってもなお不動の存在感。そういえば「“親不孝”から“親富孝”へ」なんて取り組みもかつてありましたね。ま、そんな変化は関係なく、イニシエから「長浜で飲んで、啜れる」といえば、“やまちゃん”なんです。

やまちゃんラーメン2

改めて「やまちゃん」のラーメンを啜ると、塩気と甘味のバランスがいいですね。飲んだ後のシメが前提なので、ギトギト感はなく飲みやすい濃度。豚の頭骨、ゲンコツなどと合わせて、隠し味で“牛骨”も加えてあるため、コクがもう一段増しているように感じます。ちなみに、ラーメン店は今でこそ、豚骨の部位を細分化して肉業者にオーダーできますが、昭和の時代は通称“ミックス骨”(いろいろな豚骨の部位が混ざっているもの)が主流でした。同店はプラスαで、“牛骨”も加えたことが一種の発明だと僕的には思っています。

やまちゃん胡麻カンパチ
やまちゃんテール煮込み

串物(170円〜)はじめ一品料理も多数そろっていますが、特におすすめは「テールポン酢」(1800円)、「胡麻カンパチ」(950円)。テールは約5時間煮込まれていて骨から肉がほろりと取れる柔らかさ。テール肉は約250gもあります。また、カンパチはじめ魚介は、すぐ近くの長浜鮮魚市場で毎朝仕入れているので鮮度抜群です。肉、魚、ラーメン、そして地酒もうまい。さらには、著名人のサイン、訪れた客の名刺がビタビタと張られた活気あふれるカオス空間。それらがいい感じで溶け合って「やまちゃん」の心地よさを生み出しています。
普段飲みにも、来福客をもてなす店としても心強いラーメン酒場ですね。

やまちゃん内観
やまちゃんメニュー

店舗名:長浜屋台 やまちゃん 福岡天神店
ジャンル:居酒屋、ラーメン
住所:福岡市中央区舞鶴1-4-31
電話番号:092-715-8227
営業時間:18:00〜翌3:30(金・土曜・祝前日は〜翌4:00)
定休日:火曜、他不定休あり
席数:カウンター10席、テーブル40席
個室:なし
メニュー:ラーメン660円、キクラゲラーメン760円、辛子高菜ラーメン760円、替え玉150円、テールポン酢1800円、胡麻カンパチ950円、串物各種170円〜
URL:http://nagahama-yamachan.jp

THE WRITER

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