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「青いランプ」 小川未明

【あらすじ】
「このランプをつけると、必ず不思議なことが起きる」と言い伝えられている、不思議なランプのお話。その家の者は大変恐ろしく思い、ランプを灯すことなく、長い間しまいこんでいた。
時は流れ、電気が普及し、ランプなど使うことはおろか存在すら忘れ去られようとしていたある日、この不思議なランプのことが話題に上った。
もはや不思議なランプを恐れるものなどおらず、ある者が、「この文明の時代に化け物や悪魔などいるはずがない。昔の人の作り話。
それでも、本当に不思議なことが起こるというのなら、その青いランプをともしてみればいい。」といったのである。
そこで、本当にそのランプをともすことになった。子どもが「なぜこのランプは不思議のランプと呼ばれるのか?」と尋ねる。誰も知らない。知るのはこの家のおばあさんのみ。
今まで誰にもその理由を話してこれからなかったおばあさんも、ついに重い口を開き、このランプにまつわる不思議な話を語り始めた。

【感想】
帰りたくても帰れなかった父親の魂が、黒い鳥に姿を変えて青いランプのもとに戻ってきたのか・・・。一見不思議で恐ろしい現象ではあるが、この青いランプが実は、無事を信じて帰りを待つ母親と、必ずや戻ると約束した父親との間の目には見えない絆を象徴していると思うと、切なくて哀しい。

10月15日、10月22日放送 担当:田中みずき

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