日本初の「エスカレーターで歩かない街」福岡なら実現できる?
ラジオ
エスカレーターは2列で使ってほしい。福岡市地下鉄が11月から「勇気を持って、右側に立ち止まろう」と呼びかけている。「エスカレーターは歩かない」「歩くなら階段で」をここ数年続けているRKB報道局の神戸金史解説委員は、「東京では難しいかもしれないが、福岡でならできるのでは」とRKBラジオ『田畑竜介 Grooooow Up』で話し、「日本で初めての街になろう!」と呼びかけた。
福岡市地下鉄の中吊り広告
今月、福岡市の地下鉄に乗ると、目を引く中吊り広告がかかっているんです。プリントしてスタジオに持ってきました。
1.エスカレーター、歩くと危険
2.知ってほしい右側に立っている理由
3.2列で利用すると効率がいい。
4.勇気を持って、右側に立ち止まろう
(音声)
福岡市地下鉄の音声案内:こちらは改札口行き、上りエスカレーターです。エスカレーターは歩かれますと危険です。手すりにつかまり、2列に並んでご利用ください。
右側にしか立てない人もいる
「2.知ってほしい、右側に立っている理由」という広告には、こう書いてあります。
「子供と手をつなぎたいから」
「左手をケガしているから」様々な理由で
右側に立ってる人がいます。
でも……『ジャマだ!』と言われた。
知ってほしい。
右側に立ちたい人、右側にしか立てない人がいることを
2列の方が、効率もよい
広告の3枚目は、「2列で利用すると効率がいい」です。
急ぐ人のために片側を空けて
利用するのがよいことだと考えられた
時代もありました。
でも、両側に立ち止まって利用した方が、
多くの人を
より早くより効率的に運べます。
「エスカレーターではつい1列で並んでしまう」という習性みたいなのがありますが、2列に並んだ方が、当然速いです。福岡市交通局営業課の宮崎岳彦さんにお話をうかがっています。
神戸:「勇気を持って、右側に立ち止まろう」の中吊り広告には、「日本の鉄道では、関西を中心に左空け、それ以外の地域では右空けが定着していて、まだ、2列利用が定着した例はありません。ここ福岡でエスカレーター2列利用を実現させましょう!」と書いていました。これは、出来たらすごいですね。
宮崎岳彦・営業課長:出来たら本当にすごいことと思いまして、ぜひ福岡から実現できたらなと思っています。
神戸:東京は人数が多くて、いつでも混んでいて、片側を空けないと殺気立ってしまう気がするんです。怖い、という感じがして。福岡だったら可能かもしれない、という気がしなくもないんです。
宮崎課長:福岡が適度な人数なのかもしれませんけど、右側が空いているんだけどそこまで歩く人は多くない状況です。右側に誰か立つことによって、列が発生するのじゃないかな、と。
神戸:「エスカレーター2列利用を、日本で初めて実現させた街」になりましょう!
宮崎課長:ぜひ、そうしたいと思います!
福岡なら、実現可能かも!?
急ぐ人は、階段で行けばいい。エスカレーターの右側を歩いて行っても数秒速いだけ。人を危険にさらしてしまうことと勘案したら……。「階段で歩いたらどうですか?」と、私は思っているんです。
東京は人数も多くて、常に「先頭に立つ」ことが不可能です。歩こうと思っている後ろの人を止めてしまいます。あと、長いエスカレーターが多いんです。下りエスカレーターも設置して、階段をなくしている場所もある。横に階段がなく、あっても長い。片側を空けないと後ろがイライラするので、東京では無理かなと思うんです。大学の友達が「妻がいつも東京でやっている。もう殺気立って、本当に怖い」と言っていました。でも、福岡ならできるのではないか? できたらすごいです。
東京は人数も多くて、常に「先頭に立つ」ことが不可能です。歩こうと思っている後ろの人を止めてしまいます。あと、長いエスカレーターが多いんです。下りエスカレーターも設置して、階段をなくしている場所もある。横に階段がなく、あっても長い。片側を空けないと後ろがイライラするので、東京では無理かなと思うんです。大学の友達が「妻がいつも東京でやっている。もう殺気立って、本当に怖い」と言っていました。でも、福岡ならできるのではないか? できたらすごいです。
この広告には、日本地図が出てきます(東福岡高校生徒会作成)。「左側空け」で乗っているのが、関西地方と福井・徳島・愛媛・高知・島根、それからなぜか宮崎。それ以外は全部「右側空け」。この中で唯一、福岡だけが赤色になっています。「福岡だけ、両側にしよう!」。これが実現できたら、かなり福岡は目立てると思いますよ、いい意味で。
◎神戸金史(かんべ・かねぶみ)
1967年生まれ。毎日新聞に入社直後、雲仙噴火災害に遭遇。福岡、東京の社会部で勤務した後、2005年にRKBに転職。東京報道部時代に「やまゆり園」障害者殺傷事件を取材してラジオドキュメンタリー『SCRATCH 差別と平成』やテレビ『イントレランスの時代』を制作した。
◎神戸金史(かんべ・かねぶみ)
1967年生まれ。毎日新聞に入社直後、雲仙噴火災害に遭遇。福岡、東京の社会部で勤務した後、2005年にRKBに転職。東京報道部時代に「やまゆり園」障害者殺傷事件を取材してラジオドキュメンタリー『SCRATCH 差別と平成』やテレビ『イントレランスの時代』を制作した。
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