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大浴場がブックショップに!松本十帖

日本書紀にも記述があるという松本市浅間温泉。松本城のお殿様にも愛された湯でもあります。ここに1686年からその前身が存在していた老舗旅館「小柳」の再生プロジェクトとして、2022年夏、「松本十帖」という施設がグランドオープンしました。宿と本屋、カフェ、ベーカリー、レストラン、日常の暮らしの道具がそろうショップなどの複合施設です。施設内…というか、浅間温泉内に点在する「松本十帖」の各施設をを、運営をしている(株)自遊人の取締役で(株)小柳の取締役でもある小沼百合香さんに案内してもらいました。
 


ブックホテル「松本本箱」は、元々の大浴場がブックショップスペースになっていて、選書の達人たちが選んだ10000冊がおもしろく提案されています。「大人本箱」はまるでギャラリーみたい。浴槽部分に配されたクッションと天井まで届くような本棚に並ぶ写真集や画集は圧倒的ビジュアルを醸し出します。よくよく見ると、周辺にはカランがそのままの姿であるんですよ~。
 


脱衣場のロッカー風に仕立てられた個室空間は秘密基地みたい。小さな空間での読書が楽しめます。ここの周辺にも脱衣場時代の洗面ボウルやカランがしっかり残されています。小沼さんが「お風呂だった頃の記憶を残すデザインになってます」とおっしゃってました。
 

 


「子供本箱」は、元の湯船がボールプールになってます。そしてそこに行きつくまでは絵本や児童書の本棚でできた迷路!楽しい!
 

 


本に特化して生まれ変わったのは、自遊人がもともと出版社だから。「暮らしの近くにあるものとして本を買ってほしい。買って、生活の中に取り入れてほしいんです。ひと晩、20時間くらい滞在するなかで本がある暮らしの疑似体験というか、普段本を読まない人でも、近くに本があることで手に取ってみたり、いっぱい並んでるのを眺めていくなかで自分が意図しなかった本との出会いがあったりするというのを楽しんでほしい」と、小沼さん。本箱=ブックストアは予約制。泊まらなくても本屋空間を楽しむための入場も可能です。宿泊者は24時間利用できるし、夜はお酒を飲むこともできます。
 


「松本本箱」のお部屋は、スタイリッシュでおしゃれな空間。
 


ホテルそばの蔵では地元産のりんごでハードサイダー(シードル)も仕込んでいます。これがまた、香りは甘いけど味は甘くない、すっきりとしたドライな味わいで超美味!
 

 


パンや雑貨が並ぶショップもこだわりの品々がたくさん。ひとひねりしたお土産探しにもおすすめです。
 


昔ながらのコンクリート舗装の坂道を上がって行くと「哲学と甘いもの」というカフェが。哲学書を中心に選書されたこの店内では「おしゃべりは小声で」がルール。ノスタルジックで静かな空間です。
 

 

 

 


この「松本十帖」に着いたら、チェックインの手続きをするレセプションはホテルの建物ではなく、ホテルの手前・徒歩3分ほどのところにあるカフェにあります。「ホテルの中だけじゃなく、レセプションであるカフェから歩いていく道すがら、また坂の上のカフェまで足をのばしたり、歩いて楽しんでいただくコンセプトです」と小沼さん。レセプションの前の通りは、昭和中頃まであったチンチン電車の終着駅前で昭和のメインストリート。ホテルの裏手は源泉が多く出ている江戸時代のメインストリート。時代を超えた温泉街の記憶や雰囲気を手繰り寄せながら歩く楽しみを提供してくれています。
 

□ 松本十帖 →  https://matsumotojujo.com/
□ 新まつもと物語 →   https://visitmatsumoto.com/
□ 長野県公式観光サイト →  https://www.go-nagano.net/
□ 信州まつもと空港地元利用 →  https://www.matsumoto-trip.com/airport-arrival/

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