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黄金色にカラリと揚がったヒレかつのもちもち肌にゾッコン!

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江戸前の三大料理といえば、寿司、蕎麦、天ぷらが知られていますが、それに続く東京を代表する料理の一つが「とんかつ」です。発祥こそ明治初年とやや時代は下りますが、西欧の洋食文化と和食の伝統が融合して生まれた「とんかつ」は、銀座や上野をはじめとする東京で大いに流行りました。今も専門店の多さとレベルの高さは抜きん出ており、東京ならではの食文化といえるでしょう。
そんな東京のとんかつ文化にインスパイアされて、独自に研究した味を提供しているのが「とんかつ にしなか」です。

にしなか店内

場所は地元で旧町名の小林町と呼ばれているエリアで、今なお昭和な商店街の面影が残る一角。以前は蕎麦屋だったという内装そのままの店内にはテレビが置かれ、程よいエイジング感がいかにも町のとんかつ屋という風情です。

厨房に立つ店主の原田大資さんは、福岡市内の串揚げ店出身。その店がとんかつ店に業態変更することになり、研修で訪れた東京でカルチャーショックを受けたといいます。「福岡で食べていたのとまったく違っていて、とんかつをつまみに酒を飲むスタイルが衝撃的でした」と、原田さん。その後も食べ歩きながら独学で試行錯誤を重ね、昨年4月に独立開業を果たしました。

にしなかメニュー1 にしなかメニュー2

メニューには「上ロースかつ」「上ヒレかつ」としか書かれていませんが、全国から選び抜いた銘柄豚を使い分けています。その中でもイチオシというのが、熊本県水俣市の山奥で飼育されている「モンヴェールポーク」のヒレ肉。一体どんな味なのか、興味津々で「上ヒレかつ定食」(1,650円)を注文しました。

にしなか料理1

オープンキッチンを覗くと、奥にフライヤーが2台設置されているのが見えます。聞くと「最初は中温で肉の旨味を引き出し、最後に高温で衣の水分を蒸発させてカラッとした仕上がりを目指しています」という2度揚げの技法を使っているそうです。さらにフライヤーから上げた後も余熱でじんわりと火を通すため、このじれったい数分の間にますます食欲が湧いてきます。

にしなか料理2

満を持して登場したヒレかつは、断面がうっすらピンク色をした美人豚。持ち重りのする1切れを箸でつまんでひと噛みすれば、もちもちとした弾力が押し返してきます。そのまま一気に噛み進めるとあっけない程に歯が通り、檜の森の湧水で育てられたという豚肉の芳ばしい香りが鼻腔に広がり......。初めて体験する食感と予想を超えた風味に陶然となりました。
約300gのヒレ肉一本を20分以上かけてじっくりと揚げる「棒ヒレかつ定食」(2,400円)もありますので、時間とお腹に余裕のある方はぜひお試しを。

にしなか料理4

他の豚肉も食べてみたくなり、続いて注文したのが認定山形豚のロースを使った「カツ丼」(キャベツ、味噌汁付き1,320円・平日のランチは1,100円)です。やはり2度揚げの技法でカラリと仕上げたとんかつは美しい黄金色で、丼からはみ出さんばかりのボリューム感。甘めの汁だくでトロリとした卵の上に乗せられているので、最後までカラッとした衣の食感をキープしながら食べ進めることができます。

にしなか料理3

とんかつやカツ丼の定食に付いた味噌汁は、大根、人参、こんにゃくなどが入った具沢山の「とん汁」に変更することもできます(並220円・小150円)。このとん汁がまた主役を張るほどの美味しさで、メンチカツが付いた「特製とん汁定食」(990円)も人気です。

にしなか主人

「とんかつ屋で一杯というスタイルを楽しんでほしい」という原田さん。黒板に書かれた日替わりの一品料理をはじめ、ビールやハイボールに小鉢2品とメンチカツが付いた「チョイ呑みセット」(1,100円)で昼飲みを楽しむのもおすすめです。

にしなかメニュー3
店舗名:とんかつ にしなか
ジャンル:とんかつ、居酒屋
住所:福岡市博多区博多駅南4丁目11-28大島ビル1F
電話番号:092-432-1651
営業時間:11:30~OS14:30/17:00~OS21:30
定休日:不定
席数:テーブル13席
個室:なし
メニュー:上ロースかつ定食1,650円、上ヒレかつ定食1,650円、棒ヒレかつ定食2,400円、かつ丼定食1,320円、特製とん汁定食1,000円、カツカレー定食1,540円、ヒレカツサンド1,000円、ちょい呑みセット1,100円
URL:https://www.instagram.com/tk.nishinaka/

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