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今週は「岸田首相、ウクライナ電撃訪問」を取り上げます。

ラジオ
毎回にわかで始まる「よなおし堂」
にわかでニュースを斬ると、ぐっと身近に感じることができます。
博多にわか振興会相談役の志木らん梅さんと一緒に、学びます。

今週は「岸田首相、ウクライナ電撃訪問」を取り上げます。
下田文代が作ります。

「岸田総理、もし。ああたぁウクライナば電撃訪問さっしゃったとばってん、それが白熱のWBC戦の放送で速報されて、日本国民な驚いたばい。総理ぁそれば狙ったとやなかですな」
「まあ、本当のことは言われんとばってん、日本国民が野球ばっかりぃ夢中ぃなって、国際情勢ば忘れてもろうたら困りますけん、思い出してもらうとにゃよかタイミングやったとやなかろうか」
「何ば言いようとですな。大半の人が、総理ぁ侍ジャパンの人気ば利用したと思いよりますばい。さらぃ岸田内閣の支持率ばあげるためぃ大谷さんに近づいて勲章やら渡してお友達ぃでもなろうと思っとうとやなかですな?」
「いいや、大谷さんの方があたきば尊敬して友達ぃなりたかて言いだそうや」
「なして大谷さんが岸田総理と友達ぃなりたかやら言うとですな?」
「そらぁ、あたきゃロシアの動きも活発ぃなる危険な中、勇気ば出してウクライナぃ行ったとやけん、今後、侵攻(親交)があるとぁ間違いなか」

志岐らん梅さんの採点です。
風刺:3/4  構成:2.5/3  オチ:2.5/3 計:8/10
講評です。
「ロシアの侵攻」も忘れないようにしようという思いが入っています。「大谷選手の方が岸田首相と友達になってほしいと思っている」ということはないので、岸田首相の自負を表現したように聞こえ、風刺表現とも言えます。
構成は「ウクライナば電撃訪問」と「侍ジャパン」の二本立てになっています。オチも「ウクライナば電撃訪問」は「侵攻」、また「侍ジャパン」は大谷選手との「親交」になっています。にわかのストーリーは1本立てが基本です。この場合、原作と近い話としては「侍ジャパンで日本中が盛り上がったとこば狙うてウクライナぃ行ったとやろう?」に留めておけば、即座にその日のニュースを取り入れた博多にわかとなり、構成としては最高級のにわかになっていたと思います。日本国民は侍ジャパンを隠れ蓑に、報道陣には外務省役人が「岸田首相はどこにいるか分からない」と会見を隠れ蓑の展開にしてもよかったと思います。そうなるとオチも必然的に変わります。「報道陣の会見で外務省ぁ首相の居場所が分からんて言いよんなったが、心の中ぁポーランドから無事ぃ到着して欲しかて思いよんなったろうや」「なして、そげん思うとな?」「そらぁ報道陣の会見の様子のことやけん、汽車(記者)ぁ気ぃなっとんなる」。
オチの「侵攻」は悪い事柄、「親交」は良い事柄なので、同時にオチとして並べるには、かなり無理な展開になります。まとめるにしても遠回りの話の組み立てになります。逆の事項オチは話の展開は無理と思ってもらう方がいいです。
また、オチのあとの言葉は短い方がいいです。オチの言葉だけを主語にした方が分かりやすいです。この場合の「侵攻(親交)があるのは」が主語で、「間違いない」が述語のように聞こえます。オチとそのあとの言葉としては「侵攻(親交)が気になる」ぐらいがいいと思います。

おしまいに、志岐らん梅さんのお手本にわかです。

「岸田首相もし。ウクライナぃ電撃訪問しなったが、なして、行きなったとな?」
「それが、ああた、今度、日本でG7サミットがありまっしょうが。G7の首脳で、ウクライナぃ行とらんとぁ、あたきだけですたい。日本な議長国ぃなっとります。気おくれしたらいかんと思うて、行てきたとですたい」
「ばって、ウクライナのゼレンスキーさんな、欧米ぃ、武器の提供の支援ば望んどんなる。日本な武器の輸出ぁするとですな?」
「そらぁ、しまっせん。日本にゃぁ、防衛装備移転三原則がありますけん、そらぁ、でけんとですたい」
「そげなとがでけんとぃ、気持ちぁ、よう平常心でおらるうとですな?」
「あたきゃ平常心で溢れとります。あたきの頭の中ぁ、平気(兵器)でいっぱい」

毎週、月曜から木曜までお送りしてきました“よなおし堂”ですが、来週から金曜午後2時にお引越しします。
「水曜日のよなおしにわか倶楽部」は今週が最後です。次は3月31日金曜日。
新たな「よなおし堂」を是非お楽しみにお待ちください。

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