櫻井浩二インサイト

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新型コロナワクチンの“誤解”に薬剤師が答える

新型コロナワクチンの接種が若い世代にも広がる一方、誤った情報によって接種をためらったり、不安に感じているケースも見られる。そこで、RKBラジオ『櫻井浩二インサイト』では、8月30日(月)~9月2日(木)までの4回シリーズで、薬剤師の児島悠史さんに「新型コロナワクチンの誤解に答える」というテーマで話を聞いている。

児島さんは「誤解や偏見から生まれる悲劇を、正しい情報提供と教育によって防ぎたい」という理念のもと、ブログやTwitterを使って科学的根拠に基づいた医療情報の発信・共有を行っている。8月31日(火)の放送では、ワクチン効果とネット上で目立つ「妊娠」との関連、副反応について解説した。

櫻井浩二アナウンサー(以下、櫻井):いま感染の中心になっているのが、変異ウイルスのデルタ株です。これが、今われわれが打っているワクチンでどの程度効果があるのか、皆さん疑問を持っていると思います。

児島悠史さん(以下、児島):確かにデルタ株になってワクチンの効果が、これまで言われいてたものより弱まってしまうんじゃないか、という話はよく出ています。ただ、それでも全くの無意味になっているとか、逆効果になってしまっているということではなく、もともと発症を防ぐ効果が95%ぐらいと言われていたものが、80%ぐらいに落ちてる、という程度のものなので、デルタ株にも十分効き目がありますし、発症や重症化はしっかり防げているということが、日本国内のデータからも見られているので、そこは安心していいと思います。ただし、1回しか接種してない状態では、発症は10%から30%ぐらいしか防げないというデータもあるので、しっかり2回接種を済ませることがより大事になってきています。

櫻井:デルタ株は重症化のスピードがこれまでのものよりも早いって言われていますが、それもワクチンを打っておけば効果はあるということですね。

児島:ウイルスと接触してしまっても、感染してしまうリスクをまず減らせますし、感染したときに発症してしまうというリスクも減らせますし、発症したときに重症化してしまうというリスクも減らせます。

櫻井:ワクチンに関しては、デマも含めてさまざまな情報がはびこっています。よく目につくのが「ワクチンを接種すると妊娠しづらくなる」というもの。これはデマと思っていいんでしょうか?

児島:こういうのを見ると、将来のこととか子供のこととか不安になるんじゃないかと思うんですが、これに関して、実際にそういうリスクが確認されたとか、そういう兆候があるという話は全くないので、心配する必要はありません。実際にワクチン接種をした後に、何千人もの女性が妊娠しているというデータも出ていますので、そこは安心してもらえたらと思います。

櫻井:妊娠ということでいえば、妊娠中にワクチンは打っていいんですか。

児島:むしろ打ってもらった方が良いです。一部の自治体では、妊婦さんとそのパートナーに対するワクチンの優先接種というものが始まっています。それには大きな理由が二つあって、一つは妊娠中にワクチンを接種しても、例えば流産とか早産という異常が、自然な状態と変わらない頻度、例えば流産でいうとだいたい15%ぐらいですが、これと同じくらいしか起こらないっていうことで、安全性が確認されているので、基本的には妊娠に悪影響を与えることはありません。もう一つは妊婦さんが感染すると重症化しやすいので、母子ともに危険なことになるということです。しかも感染した状態で何かトラブルが起きても、対応できる病院が少ないので、妊婦さんが感染した場合のリスクが普通の人に比べると大きいということがいえます。妊娠中は自分と自分のお腹の子供を守るために、ワクチン接種を検討してもらえたらと思います。

櫻井:ワクチンの接種については、若い世代がなかなか打ちたがらないということがありますが、このあたりにはどう見ていますか。

児島:「若い人は重症化しにくいから平気だろう」という油断があったり、副反応で熱が出ても仕事を休めない、休んでしまうと収入がなくなるので生活ができないという社会的・経済的な事情があったり。あとはワクチンの予約が平日の昼間だと、そもそも予約が取れないんですよね。さまざまな理由が絡んでいると思われます。

櫻井:あと若い人たちが心配していることとして、ファイザー社やモデルナ社製のワクチンはmRNAという新しい種類のもので、長期間にわたる治験がちゃんと行われているわけではない、と。だから、例えば10年後とか20年後とかに、その副反応が出ることはないのか、という不安もあるのではないかと思いますが。

児島:まだワクチンができて1年経っていないので「数年後どうなるか分からない」というのは、確かに事実ではあります。しかし、このmRNAというのは、冷凍保管しておかないと廃棄処分になった、というニュースも伝えられているとおり、ものすごく壊れやすいものなので、体の中でそんなに長く残ることはないということが言えます。また、これまでにもたくさんの種類のワクチンが存在していますが、ワクチンで起こる、顕著に危ない副反応というものは、ほとんどが2か月以内に出ます。それ以降になってじわじわ出てくる危険なもの、というのは心配する必要はありません。2か月間の期間というものはしっかり見て、安全性が確認できているので、それは安心材料になるかなと思います。

他の日の児島さんの解説も含め、放送後の音声は、radikoタイムフリー、ラジオクラウド、RKBラジオ『櫻井浩二インサイト』の番組ホームページで配信しています。

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