鹿児島県は本土面積の半分以上を「シラス」と呼ばれる火山灰土壌で覆われており、今までのシラスの印象は土砂災害が起きやすいなど悪いイメージがあった。が、今ではシラスを使った様々な製品が国内外で使用され建物に使われるブロックや瓦、日常生活で使う化粧品やガラス製品に至るまでシラスバルーンを利用した製品が開発されている。シラスバルーンとはシラスを900度から1000度の高温で瞬間加熱して作られたものでガラスの表面を傷つけることなく水垢や油膜を素早く取り除くことができる。
タラチネケミカルの迫正人社長(66)が開発したガラスクリーナーはシラスバルーンを主成分とし市バスや市電のフロントガラスや銭湯の鏡、水周りの汚れなど簡単に落とすことができなかった頑固な水垢や油膜を落とす。今までのガラスクリーナーは強い酸でガラスを溶かして汚れを落としていたので取り扱いに注意が必要だったがタラチネケミカルのガラスクリーナーは主成分がシラスバルーンだから無害。まさに自然のガラスクリーナー。
シラスからできたシラスバルーンは様々な可能性を秘めた素材。郷土の資源を国内はもとより世界に通じる製品づくりに生かしていきたいと迫社長は語る。
<取材先データ>
有限会社 タラチネケミカル
担当者:迫 正人
鹿児島県日置市吹上町中原2459-1
電話:099-296-6877
HP:http://www.tarachine.jp/
◆「家庭用水垢とりエコクリーナー 大地で洗う」(250ml)
タラチネケミカルのインターネット販売のみ 1本2000円(税別)
取材後記
今まで、ガラスの水垢や油膜についてあまり考えることはなかったが、バス会社や鉄道会社で取材するにあたり、フロントガラスの水垢や油膜が安全運転の妨げになっていると聞き、お客さんを乗せて走るバスや電車にとっては、タラチネケミカルの「GR―Z1」は、安全運転の救世主になっていることを知った。 また、家庭で使っている前田さん宅では、トイレは年に2回しか清掃しないそうだが、姉妹品の「大地で洗う」を使えば水垢がすぐに落ちるので、ほんとに重宝していると言っていた。
たかが水垢や油膜と思いがちだが、きれいな窓や鏡は、きれいな景色を映し、人の心も和ませる。逆に、汚い窓や鏡は、映るはずの景色が映らないことで、人の心をうっとうしくさせる。
簡単に汚れを落とすシラスのパワーが、日本だけでなく、世界でも注目される日が、いつか来る日を楽しみにしたいと思う。
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