日本発の味覚「うまみ=UMAMI」、今や世界共通語となり、世界中の料理人たちに研究されている。うまみのもととなる食材として、日本ではカツオ節や昆布、シイタケなどが知られている。
しかし、日本人の多くが口にしたことがあるにも関わらず、その名がほとんど知られていない「うまみ」の素がある。「雑節」だ。「節」とは、魚を加工・乾燥させた保存食を意味する。
カツオで作られた「節」がカツオ節だが、サバやアジなど、他の魚で作られた「節」を雑節という。コクがあるサバ節、上品な甘みのウルメイワシ節など個性豊かで、だしを扱う業界では注目の食材。大手コンビニのおでんや、うどんチェーン店、カップ麺などでは欠かせない存在となっている。
中でも、天草市牛深産は品質が高く、生産量、生産額ともに日本一。
一方で、その知名度は驚くほど低く、熊本県はおろか、地元でも知らない人が多い。そうした現状を変えよう立ち上がったのが、雑節工場の三男、津田拓司さん。
九州屈指の美しい海水を使い、天日干しで仕上げた高品質の雑節から、0.01mmという、過去にないふわふわの削り節を生み出した。
さらに、熊本有数の食品会社とタッグを組み、新たな商品を開発。
知られざる「雑節」を日本、そして世界へ。その挑戦を追った。
<取材先データ>
天栄食品
代表 津田 拓司さん
住所:熊本県天草市魚貫町5536-16
電話:0969-77-8165
HP:https://teneisyokuhin.com/
道の駅「宮地岳かかしの里」
住所:熊本県天草市宮地岳町5516-1
電話:0969-28-0384
HP:https://kakashinosato.jp/
東浜 凜太楼
住所:熊本県天草市東浜町6-31
電話:0969-24-8123
HP:https://www.instagram.com/rintarow_reiwa1/ (インスタグラム)
取材後記
恥ずかしながら「雑節」という食品どころか、その言葉すら知らなかった私。
とはいえ、「熊本の生産量日本一」をネットで検索しても、「雑節」という言葉は出てこないに等しく、本当に熊本でもほとんど知られていません。まさに「知られざる食材」。
「節」といえば鰹節ですが、鰹節と雑節、どちらも作った経験がある方によると、雑節の方が難しいのだとか。牛深で雑節を作られている皆さん、本当にすごいです。
…と、色々言葉を並べましたが、結局 言いたいことは1つ!雑節は本当においしい!
津田さんの削り節を食べて以来、今ではすっかり雑節のトリコです。
(RKK熊本放送 / 宮崎貴司)
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