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週休3日で働くことで生き方も変化する!?

暮らし
新型コロナ感染拡大により、私たちの働き方は大きく変化した。テレワークが推奨され、ワーケーションという新しい働き方が生まれたり、副業を認めて自己の能力を伸ばしたりする動きも見られた。そこで、RKBラジオ朝のニュース番組『櫻井浩二インサイト』では「勤労感謝の日」を含む11月22日~25日の放送で「withコロナ時代の働き方」を特集している。23日は「週休3日で働くこと」について、静岡県浜松市にある株式会社週休3日の社長・永井宏明さんに話を聞いた。
株式会社週休3日・永井宏明社長
櫻井浩二アナウンサー(以下、櫻井):「株式会社週休3日」というユニークな名前の会社ですが、何をする会社なんですか?

 

永井宏明社長(以下、永井):これまでは、薬剤師と調剤薬局を“週休3日の正社員”でマッチングさせるというビジネスをしていました。今後はマッチングサービス「週休3日.com」をリリースし、全職種で広げていきたいと考えています。

 

櫻井:週休3日、正社員で働ける会社ってそんなにたくさんありますか?

 

永井:まだ少ないと思います。僕がこの会社を創業したのは5年前で、当時はほとんどありませんでした。しかし、その頃に比べると圧倒的に増えている印象はあります。職種としては、介護や接客業が中心です。

 

櫻井:この「株式会社週休3日」を立ち上げたきっかけはなんですか?

 

永井:老人ホームの施設長として8年ほど勤めていたのですが、なかなか人が集まらなくて困っていたんです。そこでイチかバチかで、週休3日制度を導入したんです。導入した当初は人が集まりませんでしたが、少しずつ「週休3日で働けるんですか?」「本当に正社員なんですか?」という声が集まり、働く人も集まってきました。そこから6年経ったときは、4割の人が週休3日を選ぶ事業所になりました。さらに、週休3日で働く人は「もう1日働いてもいい。だけどやっぱり今の働き方がいい」と言うんです。そういう気持ちの方って、たとえば認知症の人を介護するときでも、気持ちに余裕があって接し方が優しくなるんです。もし自分がサービスを受ける側のとき「もう1日休みたいな」と思っている人から受けるのと「もう1日働いてもいい」と思っている人から受けるのとでは全然違うと思うんです。“ちょうどいい働き方”がみんなにとってメリットがあるということを実感しました。それに懸けようと思って、この事業を始めました。

 

櫻井:全社員を週休3日にしようといのではなく「選択できる」ということですね?

 

永井:大事なことは、働き方の選択肢を増やすことだと思っています。人生の中で「週休3日、正社員で働きたい」という時期が必ずあると思うんです。例えば、子育てや家族の介護、大学を卒業して安定した仕事に就きたいけれど、まだ夢を追いかけたいと思っているなど、週休3日を選びたくなる時があるはずです。その時に(週休3日を)選べる社会の方が、みんなにとってプラスではないかと思っています。

 

櫻井:給料はどうなるんですか?

 

永井:週休3日にはいろんな制度があって、週休3日になっても給料が下がらない場合もあれば、週休3日なったら同一労働同一賃金の考え方で8割程度の給料になる場合もあります。また、週休3日になっても労働時間を1日8時間ではなく、10時間に増やすことで給料が変わらないというパターンもあります。大事なことは、働き方を固定化することではなく、労働者も企業も「こういう働き方もいいんじゃないか」ということを自分たちで考えて、制度化することだと思います。これからは働き方を自分たちで定義していく時代になると思います。その中のひとつの選択肢が「週休3日」ですね。

 

櫻井:週休3日で働くことで増えた休日、皆さんはどう活用していますか?

 

永井:若い人だと趣味に使っている人が多いですね。また、子育てや介護に使いたい人も多いです。そこで重要なのは、増えた休日をどう使いたいかで、企業と働く人をマッチングするということです。会社と自分の価値観をすり合わせていくことが必要ですね。

 

櫻井:週休3日で働くことで、逆に働き方のアイディアが出てきそうですね。

 

永井:働き方もですが、生き方が変わります。どこかで「本当はこういう生き方をしたいんだけど」と思っていても、我慢しなければならない状況もあります。仕事は生きていくために必要だし、やらなければならないことですが、一方で自分の大事なことに時間を使えるようにバランスを取るだけで、生き方は変わってくると思います。企業がそれを理解し、働き方の選択肢を増やすことで、生産性やサービスの質にもつながっていき、みんながプラスの考え方で生きていけると思います。

 

そんな永井さんの週休3日の過ごし方は、4人の子供たちが夢中になっているバスケットボールの指導をしたり、アマチュア劇団の作・演出などをしているという。働き方を「選べる」ことで私たちの生き方の幅も広がっていくだろう。

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