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箱根駅伝は「全国大会にするよう文科省が指導するべき」玉木正之が苦言

青山学院大学が圧倒的な強さを見せ、6度目の総合優勝を飾った第98回箱根駅伝。復路のテレビ中継は28.4%という世帯平均視聴率を記録した国民的イベントだが、RKBラジオ『櫻井浩二インサイト』に出演したスポーツ文化評論家の玉木正之氏は、大会のあり方を痛烈に批判する。

スポーツの平等性が損なわれている

箱根駅伝はアマチュアの学生スポーツですね。アマチュアのスポーツってのは一番儲かるんです。プロと違いますから、出場する人にギャラが要りません。箱根駅伝は日本テレビが放送していますが、主催の関東学生陸上競技連盟に2億4000万円の放送権料が支払われているというふうに言われています。その中から、出場する大学20校には200万円ずつが「強化費」として配られると。合計4000万円。では、残りの2億円はどこに行ったのでしょうか?関東学生陸上競技連盟は任意団体ですから、報告の義務がないんです。こういうシステムきちんとした方がいいですね。おまけに「関東学生陸上競技連盟」でしょ?九州関係ないですよね。関西も関係ないですよね。それなのにこれを全国中継している。ある人は「全国から選手が集まっていますから、全国区な大会です」と言っていましたが、大間違いです。関東に学生を集めよう、これ誰の陰謀ですか?これは文科省の問題ではないでしょうか。「日本の大学教育はこれで良いのか?」ということです。こういう偏りっていうのは一番まずいことで、これはスポーツにおける平等性というものが損なわれています。スポーツっていうのは絶対平等でなくてはいけなくて、大会というのは誰もが参加できないといけない。大学の大会だと言うのならば、どんな大学でも参加できるのが当たり前のものなんですよ。ところが関東の大学しか参加できませんよっていうものが、こんなに大きく取り上げられているというのはまずいんじゃないですか?という一言をなぜ誰も言わないんでしょう。

高低差のあるコースはマラソン規定では”ルール違反”

それから、どうしてあんなに高い山に登らなきゃいけないんですかね。あれはマラソンの規定でいうとルール違反です。あんなに高低差のあるコースを作っちゃ駄目なんですね。これ、実は「アメリカ大陸横断マラソン」という大会をやるから、それに参加しようという意見があったんですね。それで「ロッキー山脈越えなきゃいけないから山登りしましょう」というようなことを言い出して、おまけに「お正月に箱根の温泉街が、お客さんが少なくなるからちょっとイベントやりましょうか」ってことが結びついた。アメリカ横断マラソンもなくなりましたから、あそこ(箱根)に登る必要はないんですけれども。

 

こんな大会が来年100回目を迎えます。これを機に考えてほしいですね。せめて全国大会にしないと、関東にみんなランナーが集まっちゃう。こんなことはやっぱり文科省が指導しなきゃ駄目ですよ。というようなことを新年からぼやいております。

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