「デビ高橋の昼飲みでほろ酔い」の昼飲みとは、明るいうちからお酒を飲むということで、ここではランチタイムや夜より少し早めの15~16時くらいからお酒が飲める店舗を紹介します。
私は仕事柄、県外から来たゲストにもつ鍋店を聞かれることが多い。福岡には美味しいもつ鍋店がたくさんあるが、何度も福岡を訪れている人から「ちょっと変わったもつ鍋が食べたい」と言われた時に薦めると、かなり面白がってもらえる店がある。
それが「めんくいや 薬院本店」だ。ここは1980年創業の豚骨ラーメン店なのだが、実はこちらにはもうひとつ名物がある。それが、豚骨ラーメンのスープで仕上げる「豚骨もつ鍋」。一般的な醤油味や味噌味とは違う、ラーメン店ならではのもつ鍋で、豚骨スープ仕立てのもつ鍋は福岡でもかなり珍しい。しかも昼から注文できて、1人前からOK。おひとりさまでも利用しやすく、大人数で昼飲みもできるので使い勝手が良い。
現在は三代目の山羽泰智(やまは たいち)さんが店を引き継いでいる。ルーツは、山羽さんの祖父が久留米の人気ラーメン店で修業し、出身地の山口県宇部市で独立開業したことに始まる。その後、1980年に二代目である父親が福岡・薬院で「麺喰舎(めんくいや)」として新たにスタートした。
30年ほど前、まだ福岡に“ラーメン居酒屋”的な店が少なかった頃、屋台のように酒を飲みながら最後にラーメンで締めるスタイルへとリニューアル。スープ、麺、具材まですべて手作りで、安心安全なものを提供するという姿勢は先代から受け継がれている。自家製麺も添加物を極力使わず、保存料不使用で作られているそうだ。
ここでの昼飲みは、開店直後の11時からでも可能。ただし、その時間帯は券売機での購入のみと少し制限があるため、個人的には15時くらいからの利用がおすすめ。その時間になるとおつまみメニューも増え、席から注文できるようになるからだ。
まずは「ちょい飲みセット」(900円)からスタート。ビールに半餃子、小鉢2種が付く。今回の小鉢は煮卵と塩キャベツ。塩キャベツはニンニクがしっかり効いていて、これだけで酒が進む。
餃子はしっかり味が付いているタイプ。薄皮でパリッと焼かれているが、もちっとした食感も残っている。
続いて「おつまみチャーシュー」(680円)と「辛子高菜」(50円)。チャーシューはチャーシューメン用のものとは別物。ラーメン用は柔らかいタイプだが、こちらは赤身中心で歯ごたえがある。薄めにカットされ、しっかりした食感と濃いめの味付けで酒のアテにぴったり。
「辛子高菜」はかなり辛めだが、その奥に旨みがある。使用しているのは雲仙こぶ高菜。大きめカットで食感も良い。
「羽つきパリパリ豚足」(700円)も面白い。まるで餃子のような羽根付きスタイルで提供される。豚骨スープと圧力鍋で柔らかく煮込んだあと、表面をパリッと焼き上げているそうだ。餃子のタレとカラシで食べるのだが、外はパリッ、中はトロトロでたまらない。
「スープ餃子」(680円)はラーメンのタレを使っているが、豚骨スープは使用していない。野菜もたっぷり付いてくる。
「パリパリ焼きラーメン」(900円)は、揚げた麺をさらに焼き上げたパリパリ食感。みりんを効かせた醤油味で、完全に酒のアテ系。地元客に人気の一品でビールや焼酎のソーダ割りと合わせる人が多いらしい。
そして名物の「豚骨もつ鍋」(1,600円)。豚骨ラーメンのスープで仕上げた唯一無二のもつ鍋だ。
誕生したのは10年ほど前とのこと。キャベツ、ニラ、もつ、薄切りゴボウ、ニンニク、鷹の爪が入り、1人前でもかなりボリュームがある。
通常の豚骨ラーメンスープとの違いは、ニンニクの風味と、もつや野菜から溶け出した旨み。ラーメンスープよりも厚みがあり、酒にもよく合う。シメは替え玉の細麺でも良いし、太麺に変更することも可能。
最後は「とろとろチャーシューメン」(1,000円)を。一番人気メニューとのことで、今回は+150円で煮玉子を追加した。
こちらは頭骨とゲンコツを長時間炊き込むことで、臭みのないスープに仕上げている。あっさりしているが、コク、まろやかさ、旨みはしっかり感じるタイプ。
そこに合わせるのは、しなやかで歯切れの良い自家製の細ストレート麺。途中から、先ほどの「辛子高菜」で味変するのがおすすめだ。
ちなみに焼酎のキープが2,600円からできるというのも驚き。もはやラーメン店というより、かなり居酒屋寄りである。
どのメニューも酒が進むので、今回はつい注文しすぎてしまった。昼から少し変わったもつ鍋が楽しめるので、県外の友人が福岡を発つ前の“最後の一軒”としてもおすすめしたい店だ。
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