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新型コロナ感染拡大で保険加入者が急増!専門家は入りすぎに警鐘

暮らし
新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない状況の中、「コロナ保険」に加入する人が急増しているという。しかし、明治大学准教授でエコノミストの飯田泰之さんは「保険に頼りすぎるのは危険」と警鐘を鳴らす。一体どういうことなのだろうか?RKBラジオ『櫻井浩二インサイト』で詳しく聞いた。  
櫻井浩二アナウンサー(以下、櫻井):「コロナ保険」とはどのようなものですか?

飯田泰之明治大准教授(以下、飯田):新型コロナそのものと関係なく、月々の決まった掛け金を払えば、日数に関わらず入院1回につき5万円もらえます、というような仕組みです。これは新型コロナ以前からあったものです。新型コロナの感染拡大をきっかけに、このようなタイプの保険に新型コロナも適用され、加入する人が増えたという背景があります。実は今、このようなタイプの保険が一部販売中止や保険料の値上げをしています。これはオミクロン株の感染拡大に伴い、感染スピードが急であること、さらには新型コロナ感染して自宅療養をする場合でも保険金を支払う対象になったことが理由です。

櫻井:保険金を支払う対象が拡大して、保険会社が持たなくなってしまうんですね。

飯田:気をつけなければならないことは、どの保険でも、お金がすぐに支払われるという訳ではないことです。さらに、加入すれば即、保険対象になるという訳でもありません。通常は2週間から1か月間の待機期間ののち、保険が適用されます。つまり、新型コロナに感染してから保険に加入しても対象に入らないということなんです。忘れてはならないのは保険というのものはそもそもギャンブルなんです。
櫻井:ギャンブル!?

飯田:掛け金を支払って、ちゃんとした事由がある場合はお金を受け取れます。逆に考えると、健康でケガもせずに生きていたらお金は受け取れませんので、金銭の意味では「損した」ということになります。

飯田:保険の問題を考えるときによく言われているのは「日本人は世界で一番保険が好きな民族」だということです。これが世界の金融界でも謎とされていて、公的医療保険が充実しているにも関わらず、多額の掛け金を払って保険に入っているというのは不思議なことです。「念のために」とか「万が一の時を考えて」多くの方が加入しているのだと思います。

飯田:そもそも保険というものは、原則加入者が損する仕組みなのです。そうしなければ、保険会社が儲かりません。そこで保険を見直す際のポイントをお伝えします。病気、入院、死亡となってしまった時に、自分ひとりではカバーできないお金を補ってくれる保険というのは加入する意味があります。一方で、少額の掛け金で5~10万円を受け取るタイプの保険は、平均的に見ると損なので、本当に入る意味があるのかを改めて考えた方が良いでしょう。

櫻井:ということは、冒頭に紹介した新型コロナ保険も考えるべきですね。

飯田:一部の保険会社で販売停止したこともあり、継続している会社はどんどん契約が伸びています。感染のピークがまもなく来ると言われていますが、今加入して2週間の待機期間を過ぎたのち本当に得をするのか、それで受け取れる5~10万円は自分では調達できないお金なのか?を考えるべきですね。保険は人生で2番目に大きい買い物だと言われています。実際に一生に払った金額を積算すると、家を一軒買ったぐらいの金額になることもあります。今一度、なんのためにどの保険に加入しているのか整理してみるとよいでしょう。

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