大濠公園から西公園へと続く道。多くのマンションが立ち並ぶ中、昔ながらのスーパーがあったり個人商店が点在する、どこか懐かしみのあるこの通りの中ほどに、新しくイタリア料理店が誕生しました。
お店は西公園下交差点の角のビル1階にあり、この建物に溶け込むかのような佇まいをしています。実は私、少し前のお花見の時期にこの通りを歩いたのですが、そのときはぜんぜん気づきませんでした。
外観とマッチするかのように、内側の壁もレンガ仕様になっていて落ち着いた雰囲気です。席はカウンター席とテーブル席があり、ゆっくりめに配置されています。
オーナーシェフの原島伸明さん。かつてご両親がイタリア料理店を営んでいたそうで、幼い頃からイタリア料理に馴染みはありましたが、中学生のときにお父様が働く姿を見て初めて「料理人ってかっこいいな」と思ったのが、この世界に入ったきっかけだったそうです。
お父様と同じくイタリア料理の道に進もうと決めた原島シェフ。ピッツァが大好きだったこともあり渡辺通の「ファリーナ」の門を叩いたところ、先にその姉妹店である老舗イタリアンの「マンジャーモ」に配属されたと話します。「その2店舗を往来しながら、13年間働きました」。「マンジャーモ」で出会った先輩の城戸敏宏シェフに惚れ込み、その後、城戸シェフが開いた「フィーゴ」で9年間働き、この度の独立を果たしました。
店舗からの提供
城戸シェフの料理、そして「フィーゴ」のアラカルトスタイルが大好きという原島シェフ。「Nobuakki」もアラカルトで提供し、グランドメニューは原島さんのこれまでの経験を生かした構成にしつつ、「ズッキーニのカルパッチョ」(小550円、大800円)など城戸シェフから伝授してもらった料理もオンリストしています。このほか日替わりメニューもあり、充実のラインナップです。
まずは前菜から。10数種もあるので迷いに迷って、おすすめの「イワシのテリーヌ」(1,270円)を注文しました。イワシのテリーヌを食べるのは実は初めてなのですが、出てきてびっくり! イワシの身が層になり、まるで波を描いた絵画のようです。イワシの身はしっとりと柔らかく、かむとジュワッと海の味が口内に広がります。
これは、スパークリングワインととてもよく合いますね。ちなみにワインリストも充実していて、ボトルは約60種類。イタリア産を中心に、フランス産やニューワールドのものもあります。
2品目は、本日のメニューより「パンザロッティ、ストラッチャテッラチーズと生ハム、オレガノ入り揚げpizza」(1,200円)を頼みました。前述したようにピッツァが大好きな原島シェフ。お店には窯がなく、でもピッツァを出したいとパンザロッティ(揚げピッツァ)で提供することにしたそうです。
サックリ揚がった自家製生地は、もっちもち。揚げることで生地の旨みが増し、さらにストラッチャテッラチーズ(細かく裂いたモッツァレラと生クリームを和えたチーズ)もトロットロです。けっこうボリュームがあって、「カロリーが……」と思わなくもありませんが、もう誰も止めることができない禁断のおいしさです。
続いて「小ヤリイカの肝入りパスタ」(1,670円)をオーダーしました。「小さいから大変」という小ヤリイカの下処理を一杯ずつ丁寧に行い、ソースにはその肝を使っています。イカは新鮮で身がプリプリ、パスタに絡むソースはクリーミーでとっても濃厚!
余談ですが、原島シェフのご両親が20年ほど前にお店を閉じられたとき、お父様がいつか原島さんが独立したときのためにと使っていたプレートをずっととって置いてあったそうです。このプレートがその譲り受けたうちの一枚と聞き、感動しました。
最後に、メインで選んだ「豚スペアリブのミルク煮」(1,600円~※サイズによって変動あり)です。人数によってお肉のサイズを選んでくれ、写真は3~4人分になります(1,900円)。ソテーしたタマネギとニンジン、ミルクやバター、生クリームとともに豚スペアリブを煮込んだ料理で、お肉はとても柔らかくナイフを使わずともフォークでカットできました。ミルクのまろやかさに野菜の甘みが加わったとてもやさしい味わいで、肉料理だけどスープのようにほっと一息つけるような感じで食事を終えました。
リストランテでもなくトラットリアでもなく、オステリア。アラカルトで気軽に、かつ料理はボリューミーでがっつりと、かしこまらずに食事を楽しめます。「地域の方々に愛されるようなお店に成長していけたらと思っています。お子様からご年配の方までいろいろな方にご利用いただけると嬉しいですね」と原島シェフ。さらに「2軒目としてもご利用ください」というありがたいお言葉も。ですがシェフ、こちらの味を知ってしまった今、2軒目ではもったいない。もちろん1軒目として、お腹をぺこぺこに空かして再訪します!
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