【現場の声】原油高で銭湯ピンチ…それでも営業する理由

シリーズ「現場の声」。8日は庶民の憩いの場「銭湯」のいまです。
新型コロナの影響で利用客が減る中、燃料価格の高騰が追い打ちをかけています。

●番頭の声「いらっしゃい。今日は早いですね」

北九州市戸畑区にある泉湯です。
創業100年を超える歴史ある銭湯で、山水ならではの柔らかなお湯が自慢です。

営業前、三代目の木村周二さんは、脱衣所内にあるかごや棚などを入念に消毒していました。

●泉湯・木村周二さん「(結構細かいところまでやられるんですね?)人が触るところは殺菌しとかんと。手間かかる。コロナ前だったら30分で済むのが倍くらい」

福岡県内に32ある銭湯。「社会生活を維持する上で必要な施設」として、営業を続けていますが、客足は減少傾向だと言います。

●泉湯・木村周二さん「令和2年と3年で比べたら2割は減っているんですね。そやけどお年寄りの一人暮らしとか、労働者の人で(風呂が)ないアパートに住んでいる人が結構いるから、休むよりはやっぱり営業した方が…」

●記者リポート「冷たい山水をお湯にするために欠かせないのがこちらのボイラーなんですが、いま燃料費が経営に重くのしかかっています」

●泉湯・木村周二さん「燃料はA重油です。値段がどんどん高くなっているから。毎月2千円とか、ぽっと上がるから」

泉湯では、冷たい山水を湧かしていることに加え、特に冬場は湯壺の温度を保つため、ボイラーを焚く回数や時間を増やすことになり、その分、燃料費が嵩みます。

原油価格の高騰も追い打ちをかけています。

今年1月の重油代は9万1300円もかかりました。2年前には、同じ量を5万5000円ほどで調達できていたといいます。

●泉湯・木村周二さん「重油を使う量を減らすために、定休日を週1を週2に増やす。それか営業時間を短縮、その2つしかない。市とか国とかに補助金出してくれって言ってもなかなか簡単に通るもんじゃないし、もらっても逆に下がった時にどうなるのかっていうのがあるから」

新型コロナと原油高のダブルパンチ、その苦しい中でも営業を続けているのは、銭湯を必要としてくれる人がいるからです。

●利用客「風呂が家にあってもねぇ、やっぱりこの銭湯さんのお風呂の方が大きいでしょう。ゆったり入られるし、なるべくなら続けてもらった方が」

●泉湯・木村周二さん「後継者もおらんし、釜も結構経ってるから、破れたら終わりです。それまでは頑張りますけど、釜が破れたら終わりです」

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