[R調査班]ニセ電話…新たな詐欺被害の実態

[R調査班]ニセ電話…新たな詐欺被害の実態

福岡県で今年1月から3月末までに確認されたニセ電話詐欺の被害額は、すでに2億円を超え、去年を上回るペースとなっています。最近では、インターネットを使った新たな手口の詐欺も横行しています。その実態を取材しました。

調査班の取材に応じてくれたのは、福岡県篠栗町に住む72歳の女性です。

「こちらがご自身の通帳ですね。31万9000円・・・コインチェック株式会社顧客宛に振り込んだことになっていますね」(RKB浅上旺太郎)
「振り込んでないんですけどね」(女性)

先月10日、この女性の銀行口座にあったほぼ全額にあたる31万9000円がなぜか他人の口座に振り込まれていました。

調査班は、それと同じ内容の自動音声データを入手しました。

「福岡県庁からのお知らせです。国民補助金の申請が始まりましたので、申請されたい方は9番を押して下さい」(実際の自動音声=福岡県警提供)

女性は、言われたとおりに9番を押します。すると、電話は、県庁の職員を名乗る人物につながります。

女性は、「申請手続きのために口座情報を教えてほしい」と言われ、暗証番号などを伝えてしまいます。

このとき、女性はまだ自分が詐欺被害にあっているとは気づいていませんでした。

「通帳とかキャッシュカードとか自分が持っていれば他人は下ろせないと思っています。それなのに30分かそれぐらいの時間で下ろせるっていうのは許せないですよね」(被害女性)

手元に通帳やキャッシュカードがある状態で、なぜ被害にあったのでしょうか。パソコンやスマートフォンから簡単に口座が開設できる「ネットバンキング」。

犯人は、開設用のサイトにメールアドレスを設定したうえで、被害者の女性から電話で聞き出した口座番号や暗証番号を使ってネットバンキングに登録したとみられています。ATMに行かなくても振り込みなどができるという利便性を悪用した新手の詐欺です。

女性は、直後に犯人から教わった電話番号にかけますが、電話はつながりません。慌てて銀行に行き、通帳記入をしたときには、すでにほぼ全額をだまし取られていました。

福岡県内に住む80代の女性も、同じようなネットバンキングの詐欺被害にあいました。

「100万100万200万100万…500万円ですか」(RKB浅上旺太郎)
「はい4回もあっという間に」(被害女性)

電話で暗証番号などを伝えてしまったことで、ネットバンキングの口座を知らないうちに開設されました。

被害額は500万円、経営する店の事業資金でした。

女性をだました犯人は、どんな人物なのか、調査班が接触を試みますが…。
「おかけになった電話番号は現在使われておりません」(電話の音声)
「少しの金額やったら腹立たしいと思うけど、あまりに大きいからなんだろうという感じですかね」(被害女性)

福岡県警によりますと、ネットバンキングに関する不審な電話は、先月になって110件確認され、被害額は、2300万円を超えています。

「数あるネットバンキングのシステムを犯人側が研究しているのではないか。より脆弱性が高いところを狙ったとも考えられますし、犯人にとって都合の良い物を犯行ツールとして利用されたと思います」(福岡県警犯罪抑止対策室・井上寛之室長)

金融機関のセキュリティに不備はないのか。取材を進めると、ある銀行のネットバンキングに被害が集中していたことが分かりました。

その銀行のネットバンキングは、本来、口座の持ち主にだけ発行するはずの認証パスワードを本人以外にも届くよう設定することが可能だったとみられています。

手口が巧妙化・複雑化する新たな詐欺被害。今回のケースは、ネットバンキングになじみがない高齢者が、狙われた顕著な例です。

電話でお金の話はしない、暗証番号など重要な個人情報を電話で聞かれた場合は、詐欺だと思ってください。「自分は大丈夫」と思い込まないことが被害を防ぐ最大の手立てです。

金曜ドラマ『クロサギ』

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