捨てられないランドセル|アナウンサーコラム

捨てられないランドセル|アナウンサーコラム

4月から娘は高校生だというのに、小学生のころに使っていたランドセルが未だに処分できず部屋の片隅に置いたままになっている。同じ保育園に通っていた親友と選んだ、こげ茶色のランドセル。当時「赤やピンク色じゃなくてよいの?」と思った私は、かなり古い価値観だったようだ。性別関係なく子供が好きな色のランドセルを選ぶのが主流。別々の小学校に通っても同じランドセルを背負えば気持ちはつながる、ということも6歳児が教えてくれた。

ランドセル市場は年々熱を帯び、子供が入学する1年半前からカタログ請求し、1年前には注文を済ませないと、人気の色がなくなってしまうこともあるそうだ。親だけでなく祖父母も巻き込んでのランドセル商戦が過熱している。

いろいろな思いが詰まったランドセルを小学校卒業後も捨てられない人は多いようで、バッグや財布などにリメイクする人もいる。また、ランドセルを必要としている子供たちに寄付する方法もある。日本でしか使っていないイメージもあるランドセルだが、物資が不足しているアフガニスタンやシリアなどでも配られ、使用されているそうだ。世界の子供たちが元気に平和に暮らせることを願って、わが家は3年放置しているランドセルを磨くことから始めようと思う。

4月2日(土)毎日新聞掲載



池尻 和佳子
RKBアナウンサー。 福岡県北九州市出身。

【担当番組】
テレビ:タダイマ! 池尻和佳子のトコワカ
ラジオ:おしゃべり本棚 連続ラジオドラマ 〜シアワセの高取家〜

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