シリーズでお伝えしている国連の持続可能な開発目標=SDGs。今回は15番で、生物の多様性を守ることを考えます。福岡県は、「環境DNA」と呼ばれる手法で、川の水からそこに住む生き物を把握し、生態系の保全に役立てようとしています。
これは、北アメリカが原産の「アリゲーターガー」とみられる魚です。この魚が去年、見つかったのは、福岡市中心部の川。鋭い歯を持ち水鳥をも襲う肉食性で、国内への持ち込みや飼育は原則、禁止されています。
私たちに身近な川で、こうした外来魚が見つかる事例は後を絶たず、福岡県は生態系への影響を懸念しています。
太宰府市を流れる大佐野川には、多くの小魚が生息しています。福岡県の保健環境研究所から来た平川周作さんは、場所を変えながら何度も水をくみます。
採取した水をろ紙に通していくと・・・表面が茶色に変わりました。
川の水には、ふんや細胞などのそこに住む生き物の「痕跡」が含まれています。平川さんは、そのDNAを調べることで、何が生息しているかを割り出そうとしています。これは10年ほど前から使われ始めた「環境DNA」と呼ばれる分析の手法で、全国の自治体などが、外からやって来た生物が、生態系に与える影響を調べるのに使っています。
もともと住んでいた種をおびやかし、ひいては生態系そのものを、がらりと変えてしまう危険をはらむ外来種。環境DNAは、その存在や異変をいち早く察知するのに適しています。
川の水から取り出したDNAは、まず千葉県の研究者などが運営する全国共通のデータベースに照らし合わせて「どの魚のものなのか」を確認します。しかし、今のデータベースでは、詳しい魚の「種」まで分からないこともあり、福岡県は独自に情報を整備することにしました。
平川さんと共に研究にあたる中島淳さんです。環境生物学が専門で、福岡県の川でこれまでに、110種類を超える魚の標本を集めてきました。
この標本一つ一つが、データベースづくりの鍵を握ります。
いつ、どこでとれた魚か、魚の標本とそのDNAをあわせて記録します。こうしてデータベースの精度を上げていくと、特定の魚の出入りを、ピンポイントで把握できるようになるといいます。
福岡県は、市町村レベルでも環境DNAを使った調査ができるよう、再来年度をめどにデータベースを完成させ、その成果は一般にも公開する考えです。
これは、北アメリカが原産の「アリゲーターガー」とみられる魚です。この魚が去年、見つかったのは、福岡市中心部の川。鋭い歯を持ち水鳥をも襲う肉食性で、国内への持ち込みや飼育は原則、禁止されています。
私たちに身近な川で、こうした外来魚が見つかる事例は後を絶たず、福岡県は生態系への影響を懸念しています。
太宰府市を流れる大佐野川には、多くの小魚が生息しています。福岡県の保健環境研究所から来た平川周作さんは、場所を変えながら何度も水をくみます。
採取した水をろ紙に通していくと・・・表面が茶色に変わりました。
川の水には、ふんや細胞などのそこに住む生き物の「痕跡」が含まれています。平川さんは、そのDNAを調べることで、何が生息しているかを割り出そうとしています。これは10年ほど前から使われ始めた「環境DNA」と呼ばれる分析の手法で、全国の自治体などが、外からやって来た生物が、生態系に与える影響を調べるのに使っています。
もともと住んでいた種をおびやかし、ひいては生態系そのものを、がらりと変えてしまう危険をはらむ外来種。環境DNAは、その存在や異変をいち早く察知するのに適しています。
川の水から取り出したDNAは、まず千葉県の研究者などが運営する全国共通のデータベースに照らし合わせて「どの魚のものなのか」を確認します。しかし、今のデータベースでは、詳しい魚の「種」まで分からないこともあり、福岡県は独自に情報を整備することにしました。
平川さんと共に研究にあたる中島淳さんです。環境生物学が専門で、福岡県の川でこれまでに、110種類を超える魚の標本を集めてきました。
この標本一つ一つが、データベースづくりの鍵を握ります。
いつ、どこでとれた魚か、魚の標本とそのDNAをあわせて記録します。こうしてデータベースの精度を上げていくと、特定の魚の出入りを、ピンポイントで把握できるようになるといいます。
福岡県は、市町村レベルでも環境DNAを使った調査ができるよう、再来年度をめどにデータベースを完成させ、その成果は一般にも公開する考えです。
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