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「マスク生活の反動」今年は例年以上に“5月病”の患者が増える予測

何かをするのが億劫でやる気が出なかったり、眠れなかったりといった症状がある方は、もしかしたら5月病かもしれません。ゴールデンウイークが過ぎたこの時期に表れがちな心や体の不調を表す言葉です。専門医によると、今年は例年以上に5月病になる人が多いのではないかと予測されています。背景には「対面生活の復活」がありそうです。


◆睡眠障害、全身のだるさ、頭痛や肩こり、腰痛
「朝起きるのがめちゃくちゃしんどい。なんかきついし、学校行くまでもしんどいなとか、気持ち的にG.W終わってからがきついです」「G.Wあけて、初日はやはりちょっと朝がだるかったですね。まだちょっと上がりきれていないかな」「16日朝、仕事に行きたくなくて、朝起きた時に休みであってくれと思いました」

ゴールデンウイークが過ぎて10日あまり。福岡市天神のクリニックには、体の不調を訴える人から1日10件以上の相談があるといいます。この時期、不調の原因になりがちなのは、長期休暇の反動で、職場や学校に行くのが憂うつになるいわゆる「5月病」です。

アイさくらクリニック・木村昌幹院長「症状は心と体の症状の両方出る方が多いですね。心の症状は、集中力が落ちたとかやる気がでないとか、不安感、憂うつ感、イライラ感、心の症状はそういったもの。体の症状で1番多いのは、睡眠障害。全身の倦怠感、だるさですね。あとよくあるのは、頭痛や肩こり、腰痛が多いですね」


◆「マスク生活の反動」外して緊張する人も
さらに、今年は例年以上に5月病になる人が多いと予測されています。理由の1つに挙げられるのは、新型コロナウイルス感染症の位置付けがインフルエンザ並みの「5類」に変わり、職場や学校での生活がより一層、元の形に近付くことです。

木村院長「もともと5月病というのは、人間関係の軋轢からくる心と体の不調。コロナ禍で2020年、2021年、2022年、在宅勤務とかWEB勤務などで実際の人間関係の軋轢が、対人軋轢があまり少なかったと言われています。それが、久しぶりに対面活動が始まり、あのきつい生活が始まると、しばらくそういったことがなかったのが始まるというのはかなり高ストレスになるかなと。実際、今、患者さんが徐々に増えてきています」

加えて、コロナ禍の間に定着したマスク生活の反動も考えられるそうです。

木村院長「この3年間、マスクの生活に慣れると逆にマスクをすることで安心する。対人緊張が和らぐという方が結構な数いらっしゃる。(5類になって)マスクを外して活発に交流できる方もいるし、マスクを外して緊張感が高まる方もいる。それを私は“マスクギャップ”と呼んでいます。そういった方もいるのかなと私は思っています」


◆専門医師が提案する「具体的な対策」
木村院長「家庭の中での自分の立ち位置、職場の中での立ち位置。2人ぐらいは話をできる人をそれぞれのグループの中に持つというのはいいですね。いろんな問題を愚痴ったり、話をすることで問題解決が見えたり、ほんのちょっとした会話で問題がいい方向に向かう」

長い休みの間に崩れがちな生活のリズムを元に戻し、十分に眠ることも大切です。寝る時間を10時から11時ぐらいに早めて、朝起きてからしっかり日光を浴びると良いそうです。

木村院長「1回30分ぐらいの有酸素運動を週に3回ぐらいはして欲しいですね。実際運動することで、脳のセロトニン神経という、幸せホルモンと一般的に言われているセルトニンが強くなる。強くなると5月病にはなりにくい」

食事も重要なポイントです。大豆製品や乳酸菌製品、豚肉や鶏のもも肉などタンパク質を多く含む食材のほかに、ビタミンBや適度な糖質を摂ると良いそうです。また、バランスも重要なので、朝は和食がおすすめだと木村院長は話しています。「5月病」の症状が表れがちな時期は、これから6月にかけてだと言われています。しっかり対策をとって、爽やかに初夏を過ごしたいものです。

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