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「オスプレイ」駐屯地建設で佐賀空港の近隣住民から不満噴出 市は防衛局に“要請”

佐賀空港に陸上自衛隊の輸送機「オスプレイ」を配備する計画をめぐり、防衛省は近く駐屯地の工事を開始する予定です。着工時期が迫る中、佐賀市や近隣の柳川市で開かれた住民説明会では「説明が不十分」だと不満が噴出しました。

“24時間”工事に反対


九州防衛局の担当者「駐機場、隊庁舎、格納庫、火薬庫、燃料タンク等々整備していくこととしています」

6日、オスプレイが配備される佐賀市で開かれた住民説明会。九州防衛局はまもなく開始する予定の駐屯地の建設工事について、休日も含めた24時間体制で行っていくと説明しました。これに対し、出席者からは反対の意見が相次ぎました。

出席者「24時間、工事車両が動いて現場での工事をやって、私たちの生活に影響を及ぼさないわけないと思うんです。振動もするし騒音もするし。24時間はあんまりじゃないですか」
九州防衛局の担当者「防衛省としましては、喫緊の周辺の安全保障環境を踏まえまして佐賀空港へのオスプレイ配備は喫緊の課題だと・・・」
出席者「具体的に言ってください」
*ヤジが飛び交う

佐賀市は防衛局に“要請”

 

九州防衛局の担当者「令和7年6月30日を工期末としています」

約1時間半の説明会は、質疑がかみ合わないまま終わりました。

出席者「納得できるような説明をしない。みなさん不満持って帰っていると思う。寄り添うとか真摯にとか言うが、現実的な説明をしないとなかなか納得しないよね」

佐賀市は6日、駐屯地の工事について市民が安心して生活できるよう九州防衛局に要請しました。

*要請文「夜間の工事及び土砂の運搬を行わない等、周辺の生活環境に十分な配慮を行うこと。通勤通学時間における土砂及び資材の運搬については行わないこと。市民からの苦情等があった場合には、迅速に対応すること」

市の要請について九州防衛局は「後日回答する」としています。

アメリカ軍の佐賀空港利用は

 

一方、佐賀空港に近い福岡県柳川市で先月30日に開かれた住民説明会では、アメリカ軍の空港利用について質問が相次ぎました。

出席者「(米軍が)常駐はしないということは、時々くるということか」
九州防衛局の担当者「沖縄で行っている訓練を一部、日本のいろいろな所でお引き受け頂くという取り組みは、地元の理解を得ながら進めている。横並びの観点から佐賀空港にもご相談させて頂くことは排除されない」

九州防衛局は、佐賀空港にアメリカ軍が「常駐することはない」とする一方で、訓練を実施する可能性はあると説明しました。

九州防衛局 伊藤哲也局長「全国回る中で、佐賀空港を利用する可能性も排除していないんですけど、他の空港との横並びのなかで、佐賀空港に負担が集中するわけではない。安全性だけではなくて、米軍の事もまだまだ理解が完全にできてない可能性もあるので、丁寧に説明していきたい」

後味の悪さ残した住民説明会

 

司会「会場の都合もございますのでよろしくお願いします」

予定されていた2時間を過ぎると、質問を打ち切るように舞台の緞帳が下りました。

出席者「防衛局!!」「こういうやり方をするんだな!」

柳川市 金子健次市長「終わり方としては好ましい傾向ではなかった」

後味の悪さを残した住民説明会。九州防衛局は8日に佐賀市で再度説明会を開いた後、駐屯地の建設を始める方針です。

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この記事を書いたひと

岩本大志

1991年生まれ 長崎県出身