「2階にいたら家がぐるっと回った、母親がいた1階は流された」その時、住宅は土石流に飲み込まれた 九州に大雨
福岡県久留米市で土石流によって住宅7棟が損壊し、住民10人が巻き込まれました。一夜明け、現地には大きな岩や木が散乱していました。凄まじい力で押し寄せた土石流の恐怖を命からがら救出された人たちが語りました。
嫁いでからずっと住んでいた家だった
RKB野島裕輝「あたり一面に木や岩が散乱しています。こちらの岩はかなり大きくて、これが流れ着いたということなんですね。建物の支柱の部分が大きく壊れていて、今にも屋根が崩れ落ちそうな状況になっています」
久留米市田主丸の竹野地区を10日襲った土石流。住宅7棟が損壊し、家にいた10人が巻き込まれました。心肺停止で見つかった70代の男性が死亡し、男女5人がけがをしています。一夜明け、現地には住民が呆然と立ち尽くしていました。
被災住民「こんなになってるとは思いませんでした。嫁いでからずっと住んでいます。家族6人います。旦那と息子夫婦と孫2人です。みんな無事でした」
土石流を住宅が直撃、その時「家が回った」
当時、巻き込まれた家の2階にいたという男性が語ります。
被災男性「家ごとぐるーと回り出したから、何事かなと思った。しばらく流れて止まったら土石流がいっぱい窓にきていた。下(1階)はもう潰れてしまって2階だけ流された」
1階には母親がいましたが、救助隊によって無事、助けられました。
7月の「暑さ」の中、復旧作業
11日、前日の豪雨がうそのように現地は晴れました。今度は7月の「暑さ」が住民を悩ませます。住民たちは昼前から家に入り、後片付けを始めました。久留米市の原口新五市長も現場を訪れ、被災した住民たちから当時の状況などについて話を聞きました。
原口新五市長「こんな被害みたことない。土砂の深さ、流木の多さ、石の多さ、大きさ、甚大ですよ。まず衣食住を最優先したい。生活道路の復旧についてはできるだけ早くやりたい」
地域の中核病院が“池のように”患者は2階に避難
福岡県久留米市はこれまでに何度も豪雨の被害を受けてきました。住宅街が一面浸水することも何度も経験してきました。次の雨の時季に備えて毎年のようにポンプを置き排水力を上げるなどの対策をとってきました。しかし、自然の驚異は今年もまた“対策”を上回りました。
地域の中核となっている病院に泥水が流れ込んだのです。病院は床上30センチほどまで浸水し、院内はまるで池のようになってしまいました。被災当時、1階にいた50人ほどの患者は上の階に垂直避難したといいます。被災した竹野地区の周辺は、停電が続いているほか、一部で水道も止まっています。豪雨から一転、熱中症を警戒しなければいけない程の厳しい暑さの中、復旧へ向けた作業が始まっています。
記録的豪雨による被害
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