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大雨で被災した織元 「逃げずに」久留米絣を出品 デパートのイベントに復興への願い込め

福岡市で開かれている伝統工芸品「久留米絣」の販売会に、7月の大雨で被災した織元が参加しています。工房はまだ使えない状態ですが、復興への願いを込め、自慢の絣製品をそろえました。

夏涼しく冬温かい そして柔らかな久留米絣


福岡市天神の大丸福岡天神店で始まった「久留米絣大博覧会」。江戸時代から200年余りの歴史があるとされる久留米絣の魅力を知ってもらおうと、21の織元や問屋が参加しています。

本田奈也花アナウンサー「久留米絣のワンピースです。生地が柔らかくて着心地が良い」

会場では、久留米絣のもんぺを2000種類以上販売しているほか、着物の仕立ても行っています。

訪れた人「絣はいつも着心地が良くて楽しみに待っていました」
「夏涼しい、冬暖かい。自分の家で洗えるのがいい。 昔とデザインが全く違うので、すごくいいです」

完成までに半年

 


国の重要文化財に指定されている久留米絣。柄になる部分を糸で縛って藍染めした後、たて糸とよこ糸をあわせて織っていきます。約30もの工程があり、1枚の絣が完成するまでに半年ほどかかるそうです。会場には、小型の織り機もあり機織りを体験することもできます。

筑後市の織元 池田絣工房 池田美智子さん「いろいろな人の気持ちがつながって商品ができているというのが分かると思いますので、直接工房に来て頂けたらうれしいです」
 

作業場が浸水した織元も参加


今回のイベントには今月10日の大雨で被災した織元も参加しています。広川町の「森山絣工房」は、作業場が床上まで浸水し現在も復旧のめどは立っていません。

森山絣工房 森山典信さん「染料の入った瓶が並んだ工房は床から40センチくらい水が来て、染料も全部ダメになりました。まだ再開の見通しはたっていません。今回の被害で出店を中止するのは僕らにとって『逃げ』という感じがしたし、いろんな方からご支援いただいたおかげで間に合わせることができました」

博多大丸営業統括部伊藤敬一郎さん「新型コロナによるダメージがありました。また、豪雨災害でダメージがあって様々な困難を乗りこえて開催に至っています。今後100年後200年後に久留米絣の伝統を紡いでいくという意味で今回はとてもいい催事になることを楽しみにしています」

大雨からの復興の思いも込めた「久留米絣大博覧会」は、8月1日まで開催されています。
 

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