デザインの力で犯罪を抑止「目を離さない」ことも重要
「入りやすく、見えにくい」場所で犯罪が起きやすいのであれば、「入りにくく、見えやすい」デザインを目指すのは解決策の一つだ。犯罪学で「ゾーニング」と呼ばれる利用者の特性に応じて場所を区切る(すみ分ける)考え方がある。子供向け、女性向け、男性向けゾーンのように利用者を細分化することで、招かれざる者がいれば“不自然”な状況をつくり、犯罪の抑止効果を狙うものだ。商業施設でよく見られる子供専用トイレはゾーニングの考え方に基づいている。
子供専用のゾーンに大人がいれば、周囲には「不自然な行動」に映り警戒しやすくなる。川崎市幸区の夢見ヶ崎公園では、既存のトイレの隣に「女性とこどものトイレ」が新築された。大阪モノレールの駅も入り口をまったく別の場所にわけている。小宮教授は「すみわけのカテゴリーを増やしていくことが重要だ」と提案している。男女の入り口が近いトイレは潜在的な危険性があることを知り、大人が一緒に付き添い、目を離さないようにしたい。
取材:RKB大北瑞季
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この記事を書いたひと
大北瑞季
1994年生まれ 愛知県出身 主に福岡・佐賀での裁判についてのニュース記事を担当。 プライベートでは1児の母であり、出産や育児の話題についても精力的に取材を行う。