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「目の前の、たった一人の子の願いを叶える」 医療的ケアが必要な子供も参加できるお祭り 会場で涙を流した人も

人工呼吸器などを使用し日常的に医療的ケアが必要な子供と家族にとって、「外出」には大きなハードルがあります。呼吸器など大量の荷物、何かあった時の不安や対応・・・。そんなハードルを払拭する「お祭り」が開かれました。
 

人工呼吸器、ケアが必要な子どもたち

福岡県北九州市八幡西区の黒崎商店街で9日開かれた「にこりのお祭り」。アーケードの通りに約400メートルにわたって42の出店が並びました。祭りを楽しんでいるのは、人工呼吸器などを使用し、たんの吸引などの医療的ケアが必要な子供たちです。

ケア児と一緒に参加した人
「ちょっと賑やかだから緊張しているみたいです」
「なかなか人ごみにでられないのでありがたいですね」

「行けないなら、開いちゃおうよ」NPOが祭りを企画

この祭りは、医療的ケア児の日常生活や外出を支援する福岡県内のNPO法人「にこり」が中心となって企画開催したもので、去年に続いて2回目となります。
 


NPO法人にこり 松丸実奈理事長
「なかなか『人がたくさん集まるお祭りには行けない』という声があって、じゃあお祭り開いちゃおうよということで開催しました」

広くて雨に濡れないアーケード商店街で

祭りには様々な工夫が。通路など車いすが通りやすく雨をしのぐことができるようこのアーケード商店街を会場にしました。人工呼吸器の故障など不測の事態に備えて、救急救命グッズも準備しています。

ステージのダンス発表会に参加

特設ステージでは、子供たちによるダンスの発表会が開かれ、医療的ケアが必要な子供もスタッフと一緒に参加しました。
 


参加した子供の親たちは
「こういう発表会夢だったので、すごく嬉しいです、初めてなんですよ、6歳なんですけど」「舞台に出ていることで感動しました。とても良かったです、良い経験をさせてもらいました」

「できるために、どうしたらいいか考えた」

NPO法人にこり 松丸実奈理事長
「医療デバイスがあることで、できないことができないよねと諦めるのではなくできるためにどうしたらいいかということを考えました。たった一人、目の前の子の願いを叶えるということをずっと続く物語にしていきます」
 


普段自宅にいることが多い医療的ケア児の社会参加を後押しするこのお祭り。会場となった商店街で、涙を流す参加者もいました。家族にとっても子供たちの成長を感じることができた貴重な時間となったようです。

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