異例の自民支部長「空席」は麻生氏に配慮?党幹部は「痛み分け」 福岡9区
福岡県北九州市の西部を選挙区とする衆議院の福岡9区について、自民党本部は次の選挙の候補予定者となる支部長を置かず「空席」のままとする決定を下しました。不戦敗につながりかねない異例の決定。その背景に何があったのでしょうか。
目次
福岡県連が緊急会議
自民党福岡県連には、20日朝、幹部が集まり、党本部が福岡9区の支部長を「空席」とした決定について協議しました。
自民党福岡県連 原口剣生会長
「茂木幹事長が言われるのは、今回9区については空席。そして10区については、吉村悠県議会議員を10区の支部長とする、と」
県連は、党員投票の結果として大家敏志参議院議員を推したものの、党本部は応じませんでした。
協議後、原口剣生会長は記者に対し次のように語りました。
自民党福岡県連 原口剣生会長
「まだまだ諦めないような形の中で、今後とも考えていきたいんですが、やはり大家先生の考えを聞いてから、そこら辺については決めていきたいというようなことがありました」
麻生副総裁の影
党本部が異例の「支部長空席」を決定したのはなぜなのか?自民党関係者は、背景として「麻生副総裁への配慮」と「大家氏の問題」という2つの理由があると説明します。
RKB今林隆史記者
「こちらのホテルではこの後、午後6時から大家氏の政治資金パーティが開かれます」
東京のホテルで11月14日に開かれた大家氏の政経フォーラムには、高市早苗経済安全保障担当大臣や河野太郎デジタル大臣らが出席。その案内状に代表世話人として大きく書かれていたのが、大家氏が所属する派閥のトップである麻生太郎副総裁です。
しかし、その麻生氏が開始時刻の午後6時前に姿を見せたのは…大家氏ではなく同じ麻生派の参議院議員・今井絵理子氏のパーティー会場でした。大家氏に複数回、衆議院への鞍替えを容認できないと伝えたという麻生氏。大家氏が鞍替えを表明してからは自民党幹部に大家氏を「干していい」と発言していたということです。
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この記事を書いたひと
今林隆史
1976年生まれ 福岡市出身 政治・経済などのニュース取材に加え、ドキュメンタリー番組の制作にも携わる。第58次南極観測隊に同行。JNNソウル特派員として韓国の大統領選挙(2022)などを取材。気象予報士・潜水士の資格を有し、環境問題や防災、水中考古学などをライフワークとして取材する。 番組「黒い樹氷~自然からの警告~」で科学技術映像祭 内閣総理大臣賞(2009)、「甦る元寇の船~神風の正体に迫る~」同映像祭 文部科学大臣賞(2013)など受賞。