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年間10万人が訪れる、ツリーハウスのあるカフェ。人気の背景には、山を切り開き土を造り、人と想いを繋ぐ感動の里山繁栄ヒストリーがあった!

糸島大好き編集者のあいあいです。


近年、老若男女問わず福岡の観光地として絶大な人気を誇る「糸島エリア」。


糸島は大きく分けて、「志摩地区」「前原地区」「二丈地区」の3つに分類されますが、今回は「前原地区」に位置する体験型観光農園『白糸の森』内、「森のカフェ 緑の詩(みどりのおと)」へ行ってきました!


大自然に囲まれたツリーハウスでカフェ利用ができ、また写真映えするスポットということでSNSでも数年前から話題になっていたお店なのですが、“糸島の人気施設”という言葉だけでは言い足りない、知られざる繁栄ヒストリーもお聞きしたので一緒にご紹介します!

『白糸の森』はカフェやうどん店の他、体験農業もできる複合施設


今回ご紹介するツリーハウスのあるカフェこと「森のカフェ 緑の詩(みどりのおと)」は、『白糸の森』内にあります。

7年ほど前に誕生した『白糸の森』には年間で約10万人が訪れているそうで、糸島、いえ、福岡を代表する人気スポットといっても過言でない施設です。



また『白糸の森』は複合施設でもあり、栽培から収穫までを行う体験型農園、野菜や果物をムダなく使う加工品の製造販売、そして里山で採れた食材を使用したうどん店「白糸うどん やすじ」と、ツリーハウスで食事を楽しむ「森のカフェ 緑の詩(みどりのおと)」の運営、また山の開拓や整備も施設として行っています。
 


施設入口では、この7本の木工オブジェがお出迎えしてくれます。
 

こちらは「糸島七座」と呼ばれているオブジェで、背振山脈を縦断する7つの山の名前(井原山・雷山・羽金山・二丈岳・女岳・浮岳・十坊山)がそれぞれ彫ってあります。
 

糸島市在住の木工作家さんによって作られたもので、良く見るとそれぞれ微妙に表情が違いますよね。作家さんの想いが詰まったこのオブジェを見に来る観光客も多いそうです。

 


オブジェを背に、広々とした駐車場へと向かいます。
 

駐車場から少し下りた場所にあるのが、今回の訪問先『白糸の森』です。
 

左の黒い建物が「白糸うどん やすじ」、右奥の茶色い建物が「森のカフェ 緑の詩(みどりのおと)」の受付になります。あくまでも受付で、ツリーハウスはこの奥へと進んだ場所にあります。

場所取り~イス運び~片付けまで、「森のカフェ」は体験型スタイル!


「森のカフェ」のツリーハウスを利用するには、まずはこちらの受付で料理やドリンクを注文します。
 

利用方法がホワイトボードに書いてあるので、しっかり読んでから利用しましょう。
注文を終えた方のみ、この奥にあるツリーハウスへと進むことができます。
 


自家製キッシュやホットサンドなどのお食事系、タルトやシフォンケーキ、プリン等のスイーツ系がショーケースに並んでいます。
 

ここにある料理は『白糸の森』で採れた野菜や果物、また地元の生産者から直接仕入れたものばかりで、全てが地産地消。
 

ドリンクメニューも豊富で、コーヒーはもちろん自家製シロップで作るレモンスカッシュやジンジャー、赤しそドリンクなどもありました。

 


注文を終えると、このような木のスプーンでできた番号札をもらいます。


先にツリーハウス内で場所取りをし、料理ができあがる頃に再び受付へ。このスプーンを渡し、料理を受け取るというシステムです。
 


注文を終えたので、場所取りに向かいます。
 

受付から少し奥にある山の方へ進むと、このような看板があります。
この場所こそが、「森のカフェ 緑の詩(みどりのおと)」の本来の入口です。
 

しかしながら、この時点で目的のツリーハウスはまだ見えません(笑)
 


ちなみにツリーハウスで場所取りをするには、数種類のイス等を持っていきます。
 

ツリーハウスにはテーブルはありますがイスがないため、場所取りの際に自分でイスを運びます。もちろん帰りも自分で返却を。
 

あまり大荷物だと移動の際にかさばるので、「森のカフェ」を利用する際は荷物は身軽なほうがいいかもしれないです。

遂にツリーハウスの全貌が明らかに!売上の一部は、林業活性の為に活用。


ようやく目的のツリーハウスが見えてきました!
 

樹齢100年は超しているであろう、細くて長い木が所狭しと連なっています。
ぐるりと木々に囲まれた場所ということもあり、マイナスイオンを存分に浴びることのできる環境です。
 

空気も澄んでいて、ここにいるだけでパワーが漲る気がします。
 


ツリーハウスには、大小から成るテラス席とバンブーハウスがあります。
 

スペースごとに糸島の漁港の名前が付けられているので分かりやすいです。
ちなみにこちらは姫島。
 


こちらは加布里です。
場所によって広さや定員、見える景色も異なるので、場所取りに迷いますね。

 

ちなみに飲み物や食事を注文した際の売上の一部は、この山の整備や開拓のために使われています。
 

売上を上げることだけが目的でなく、自然を守り残していくことが『白糸の森』の真の目的なんだそうです。

とにかく可愛い!ピクニックバスケットを持って、森林ランチ&カフェタイム


場所取りも終えたので、再び受付に行って料理を受けとります。
 

お料理やドリンクが、とっても可愛らしいピクニックバスケットに入っています!
思わず受け付けで“可愛い~!”と叫んでしまいました(笑)
 


糸島でカフェといえば綺麗な海沿いのお店を想像する人も多いと思いますが、糸島は海だけでなく県内でも有数の、自然の宝庫でもあります。
 

澄んだ水を貯める湖に広大な水田、林から成る山の恵みなど、自然から育まれた様々な景色を肌で体感できるとっても楽しい場所です。
 

ここではまさに、糸島が生んだ山の恵みを遺憾なく受けることができます。
 


前置きはさておき、この大自然の中で食事をいただきます!
 

こちらは「まえだ農園の玉ねぎキッシュ」580円。
 

「まえだ農園」とは『白糸の森』施設内にある体験型農園で、自然農法で育てられた採れたてのお野菜が使われています。
 

赤たまねぎがシャキシャキしていて、とっても美味しかったです!
 


こちらは糸島市の養鶏場、板垣ファームの卵をたっぷり使用した「ハムエッグのホットサンド」600円。
 

板垣ファームで作られる卵は「てつやとのりこの玉子」という名称で知られており、通常の卵よりもビタミンやミネラルが豊富。こちらのホットサンドにも、玉子がた~っぷりと使われていました!
 


ドリンクには自家製オリジナルシロップを使用している「ホット赤しそ」600円を注文。
 

酸味が強いのかと思いきや、とっても飲みやすく優しい甘さです。
とっても美味しく、おかわりしたいくらいでした!
 


ちょっと欲張って、スイーツ系も注文しました。

こちらは「カシスタルト」550円。
 


こちらは「完熟バナナとクルミのシナモン米粉マフィン」450円。

米粉を使用したヘルシーなマフィンで、シナモンの香りとクルミも沢山入っていました!
 


こんな素敵な環境で食事ができる、本当に幸せな時間です。
 

美味しい食事に加え、草木の声、虫や鳥のさえずり、自然の輝きを楽しみながら食事をすることで、日々の活力源になりました。

元は何もない荒れた山だった『白糸の森』。山を切り開き、森林を伐採し、土を造り、野菜を植え、1万坪の敷地を再生させた努力の施設。

※写真はイメージです


ここ『白糸の森』が誕生したのは今から7年ほど前ですが、元々は創業者の前田和子さんが、15年前にこの山を購入したことから始まりました。
 

草と木しかない、何もない荒れたこの山を“農業と食と人が集まる場所にしたい”という想いで、未経験ながら毎日仕事終わりにこの山に来て、寝る間も惜しんで竹藪を刈っていたそうです。山の広さは約1万坪というから、想像を絶します・・
 

そんな中親しい方々の知恵や協力もあり、少しずつ少しずつ山の土地が平らになり、荒れた山を畑に変えていきました。
 

※写真はイメージです


ようやく畑にしたところで農業の知恵も経験もなかったので、種を植えても全く作物が育たず、この畑で食べられるものが育つまでに8年ほどかかったんだそう。
 

“農業と食と人が集まる場所にしたい”という強い想いを胸に、協力者たちと試行錯誤する中、“この土をブランドにする”という考えが生まれたそうです。
 

土がブランド化すれば作物も育てることができ、加工品を造ったり販売することができる。購入者が増えることでそれが資金源ともなり、目標である人が集まる場所を作ることができる。想いと思い、人と努力が重なり合い、できあがったのがこの『白糸の森』なんです。
 


『白糸の森』にツリーハウスを作るアイデアはたまたまだったそうですが、日本の森林問題と向き合うきっかけともなったそうです。
 

ツリーハウスの建設には地元の青年団の方や建築の専門学校の生徒さんが課外授業の一貫として携わり、今でもツリーハウスの補修や新たな施設内の建設に力を注いでくれているんだそうです。
 


今回お話を伺った、代表の前田康史さん。創業者の前田和子さんとともにこの『白糸の森』を作り上げてきた第一人者です。
 

『白糸の森』の他、糸島市内で居酒屋やラーメン店なども営む前田さんですが、毎日深夜から山に来て、共に作業をしていたそうです。


糸島生まれ・糸島育ちという前田さん。今や『白糸の森』は年間10万人が訪れる施設へと成長していますが、文章だけでは語り切れない、苦労と努力があったことは間違いありません。


“農業と食と人が集まる場所にしたい”和子さんの想いはもちろん、糸島をもっと盛り上げたい、誰もが楽しいと思える場所にしたいという信念も同時に重なり、それこそが『白糸の森』を飛躍させる原動力になったのではと感じました。


繁栄ヒストリーの内容としてはだいぶ割愛していますが、それでもこのきっかけを知ってから『白糸の森』に訪れると、また違った感じ方ができると思います。


この記事を最後までご覧になられた方たちに、ぜひ一度訪れてほしいと思います。


『白糸の森』は、福岡市内(天神)から高速を利用し車で約50分ほどの場所にあります。

コミュニティバスも走っており、筑前前原駅南口から「白糸の森」行きのバスも出ていますが、本数が少ないのでバスで行かれる際は事前にチェックを。
 

体験型観光農園『白糸の森』内
<森のカフェ 緑の詩(みどりのおと)>
 

■住所:福岡県糸島市白糸561 [MAP]
■営業時間:11:00~16:00(最終受付15:30)
■定休日:不定
■電話番号:0923243883

■詳細はこちら:https://shiraitonomori.com/

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この記事を書いたひと

あいあい

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福岡の情報誌や沖縄のWEBメディアの広告営業等を経て、フリーランスに。現在はフリーの広告代理店として、飲食店や企業等の集客支援を行う。趣味は食べ歩き、訪れた飲食店は5,000件以上。

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