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中学校のお昼ご飯 自治体によってこれだけ違う 「全員制給食」か「デリバリー給食」か「弁当」か

中学校に通う生徒たちは、普段どんな昼食を食べているのでしょうか。家庭から弁当を持参するか、デリバリー給食か、または全員が同じものを食べる全員制給食か。自治体によって様々です。自治体の判断はなぜ、違うのでしょうか。

専門家「学校給食の役割考えて」

東京都立大学 人文社会学部 阿部彩教授


一方、専門家は、多様性よりも学校給食の役割を考えるべきだと指摘します。

東京都立大学 人文社会学部 阿部彩教授
「多様性を重んじるというのは良いんですけれども、その時に十分な栄養のある物を持って来られない子たちにどんな手立てをするのかということも一緒に考えなければいけないわけで、学校にいる間の食事を保障するというのは義務教育の趣旨からしても必ずやらなければいけないことかなと思います。自治体によっては夏休みに給食を提供したり、朝ご飯を提供したりという先駆的なところもあります」

保護者からは全員給食の実施を求める声も


チラシを配る保護者
「中学校での全員給食実施に向けて活動しております。どうぞよろしくお願いします」

春日市では保護者の一部が全員制の給食を求め、声を上げています。街頭に立って理解を求めるチラシを配布していました。こうした保護者の活動は、2019年に大野城市から始まり、2023年からは、春日市や久山町にも広がっています。

中学校のより良い給食を考える会@大野城 林田加奈子 共同代表
「この活動が広がり、中学生に安心して全員に食べてもらえる給食が実現できたらなと考えています」

大野城市民
「大人の責任においてちゃんと栄養を考えたものを全員に提供できることの方が大事だと思います」

春日市民
「私は福岡市で育っていたので給食は当たり前と思っていたのに、春日市では中学生になったら給食じゃないというのを聞いてびっくりしました」

「全員制給食」 実施の課題とは

春日市 教育総務課 小嶋健朗 課長補佐


春日市に改めて聞いたところ、全員給食の実施には課題もあると話します。

記者「保護者からは全員制を求める声も上がっていますが?」

春日市 教育総務課 小嶋健朗 課長補佐
「全員給食をする上で、施設の整備や実施体制、人の配置、そういう課題等は多くあります。。今後も国の動きを注視しながら研究を進めていきたい」

太宰府市のケースを見ても、新たに全員制の完全給食を実施するには財源の確保という課題があります。これが選択制給食の自治体の腰を重くしている側面もあるようです。

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この記事を書いたひと

三浦良介

1999年入社、テレビ営業部、大阪支社勤務を経て2011年から情報番組のディレクターを務める。2016年から報道記者として政治・経済を中心に取材奮闘中。