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利用率は4.5%に届かず…「マイナ保険証」の課題は~健康保険証は2024年で廃止予定

今の健康保険証は今年12月に廃止され、マイナンバーカードと一体化した「マイナ保険証」に移行します。ただ、不安の声も根強くあります。定着するためにはどんな課題が残されているのでしょうか。

わかりにくいメリット、一方で課題は山積み


厚生労働省は、マイナ保険証のメリットについて「顔認証で受け付けが自動化される」ことや「正確なデータに基づく診療・薬の処方が受けられる」ことなどを挙げています。その一方で、去年5月に国が実施した調査では、「マイナ保険証」を使ったことがある人の5割以上が、「メリットは特にない」と回答しています。

もやい聖友会 権頭喜美恵理事長「カード1枚になるのはすごく便利だと思うんですけれど、そして情報が共有できることも増えますが、カードを手に入れる手続きがけっこう大変だなと思います」

現在120人が入所するこちらの高齢者施設では、金庫で入所者の健康保険証を預かっています。1人で動けない入居者が多い中、そもそもマイナンバーカードを作ることができるのか、また、その後の管理についても不安が残ります。

もやい聖友会 権頭喜美恵理事長「入居者さまおひとりおひとりが暗証番号をご自身で登録されるのかご家族が来られて登録されるのかとか職員が個人情報になりますからそこをできるのかどうかも分かりませんし。1枚でかなりの情報が入っていますのでちょっと考えないといけませんね、どんな風に管理するのか。とても不安ですね」

健康保険証開始は“ありえない”、医療現場からの声


医療機関からもとまどいの声が聞かれています。

RKB毎日放送 下濱美有「受付にはマイナ保険証を読み取る機器が設置されています。一方で今まで通り保険証も持ってきてくださいというポスターもはられています」

病院の理事長は、「マイナ保険証」への移行については反対していないものの、健康保険証の廃止は現実的ではないと話します。

林外科医院 林裕章理事長「駐車場にプレハブを置いて発熱外来をしています。マイナ保険証はあの機械に自分の顔をかざして受付しないといけないので受付自体ができない。また、在宅の患者さんはオンライン確認の機械を持って行くことができないので、マイナカードでは保険診療ができないという形になります。私はなくせるとはとても思っていなかったんですけれど本当になくすつもりなんですかね。現場からすると無理だと思っています」

この病院で「マイナ保険証」を使う患者は週に1人程度だといいます。他人の情報が紐付けられているなどのトラブルも相次いでいて全面的な移行には不安があります。

林外科医院 林寛章理事長「現場の運用の試験もされていない運用すらされていない状況でそして運用している場面ではトラブルが多発しているという状況で根幹となる担保となるものをなくすというのはありえない考え方ではないかなと思います」

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