このパン連載が始まって間もない約2年半前に紹介した「THE ROOTS neighborhood bakery(ザ ルーツ ネイバーフッド ベーカリー)」は、2025年8月に惜しまれつつ薬院での営業を終了し、同年11月に城南区別府に移転オープン。私自身、薬院時代によく通ったお店なので久しぶりの訪問を楽しみに別府へ向かいました。
国道202号沿い、弓の馬場交差点そばで、薬院時代からおなじみの黄色い看板を見つけました。平日の15時頃に訪れたところ、パンはほぼ売り切れ。こちらでもすでに人気店になっているようです。12時頃が一番充実していると聞き、再訪しました。
以前は木のぬくもりを感じる雰囲気でしたが、新しい店舗は床もパン棚もタイル張り。ニューヨークの街角にあるカフェをイメージした内装に仕上げられています。店内のスペースも広くなり、ゆっくり商品を選ぶことができるように。奥の工房ではいい香りと共にパンが次々と焼き上げられています。
今年10周年を迎える「THE ROOTS neighborhood bakery」の店主・三浦寛史さん。岡山や大阪の人気ベーカリーでの修業やバールでの調理経験を活かし、オープン以来“お酒に合うパン”をコンセプトにパン作りを行っていましたが、最近は少しずつ変化しているそうです。
「もともとHIPHOPやニューヨークレゲエなどに影響を受けて育ってきたこともあり、アメリカのカルチャーが好きなんです。以前はヨーロッパスタイルのパンが中心でしたが、長く続けている火曜のベーグルDAYに加えて、水曜はサワードウブレッドDAY、木曜はドーナツDAY、金曜は焼き菓子DAYと曜日替わりでアメリカンスタイルのパンやベイクスイーツを用意するようになりました。最近は“コーヒーに合うパン”が増えていますね」と三浦さん。自身のルーツに立ち返ることで、またひとつ新しい魅力が生まれているようです。
訪れたのはドーナツDAYの木曜日。グレーズがたっぷりとかかったドーナツは、まさにイメージ通りのアメリカンスタイル。シンプルなオールドファッションから、バニラシュガー、ミルクティー、レモンなどどれも試してみたくなるラインナップです。
ザクッとした食感のオールドファッション「オールドファッション」(345円 ※写真左)、ブリオッシュ生地をベースにしたふんわり食感の「レモンドーナツ」(324円 ※写真右)と、生地の違いも楽しいドーナツ。三浦さんの言葉通り、コーヒーによく合います。
そしてもうひとつ人気を集めているのが、シアトルスタイルのシナモンロール。こちらは曜日限定ではなく、毎日ショーケースに並んでいます。プレーンのほかに、写真の「キャラメルシナモンロール with ロータスビスケット」(各453円)などアレンジしたものが登場することも。バター湯種で作るもっちりとした生地に香り高いシナモンを巻き込み、レモンが効いたフロスティングがたっぷりかかったシナモンロールは背徳的なおいしさ。レンジで30秒ほど温めて食べるのもおすすめです。
冷蔵ショーケースには、シナモンロールのほかに、薬院時代から人気のオムレツサンドやサバサンドなどのサンド系も。冷やしても硬くならないように工夫された全粒粉パンや自家製ベトナムハムなどを使った新商品の「バインミー」は、甘酸っぱい味わいがこの季節にぴったりです。
新しい試みだけでなく、多彩なハード系のパンやリッチな生地のクロワッサンなど人気のパンも揃っているので、以前からのファンの方もご安心を。パンドミなど毎日の食卓に欠かせないパンも充実しています。
オープン当初からの定番商品でいまも人気ナンバーワン、ハード生地に枝豆とチーズが入った「ビーノ」(345円 ※写真上)は、冷えたビールのお供に最適。いちじくを贅沢に大吟醸で煮込んだ「いちじくの大吟醸煮とクリームチーズ」(410円 ※写真下)はワインにぴったりの味わいです。
また、9月末頃までの夏季限定で、「とろけるメロンパン」に卵をたっぷり使った自家製アイスを挟んだ「自家製バニラアイスメロンパンサンド」(486円)も用意されています。暑い季節だけのお楽しみ商品をお見逃しなく。
また今後は店内イベントも開催予定とのことで、8/31(月)には薬院「パスタバル スプーニャ」と「クレープ ココ」との3店合同イベントが行われます。「これからはパンを売るよりも、カルチャーを作りたいと思っています。ここから別府を盛り上げていけたら」と語る三浦さん。気になるスポットが増えている別府が次のホットプレイスになる日は近いかもしれません。
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