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「零売」という言葉をご存知でしょうか。処方箋がなくても一部の医薬品を必要な量だけ販売することです。法的にも認められた制度です。零売には、医薬品を受け取るまでの時間を短縮でき、医療費の削減につながるというメリットがある一方、国は、一部の薬局で不適切な販売をしているケースもあるなどとして規制を強化する方針です。「零売」をめぐり、何が起きているのでしょうか。
一部の医薬品が購入できる零売薬局
RKB三浦良介記者
「医師の処方箋がなくても一部の医薬品が購入できる。そんな薬局が、福岡市の博多駅前にオープンしました」
博多駅前にある「まゆみ薬局」 1月22日「零売薬局」としてリニューアルオープンしました。
まゆみ薬局 山下吉彦薬剤師
「冷え性のお薬でしたら、漢方薬でございます」
零売薬局では、処方箋が必要でない一部の医療用医薬品を薬剤師の指導のもと、必要な量だけ販売しています。
処方箋なしで買える薬は約7000品目
記者
「具体的にはどういった薬があるのですか?」
まゆみ薬局 代表取締役 宮坂摩由美さん
「胃薬の『ガスター』、痛み止めの『ロキソニン』、鼻水止めの漢方、咳止めの漢方、アレルギー薬『アレグラ』など取り扱っています。」
医薬品医療機器等法では、2万品目ほどある医療用医薬品のうち、約7000品目の薬は処方箋がなくても販売することが認められています。現在、まゆみ薬局では120品目の薬を取り扱っています。
まゆみ薬局 代表取締役 宮坂摩由美さん
「クリニックで勤務をしていた時にちょうどコロナ禍になりまして、クリニックに重症の方も軽症の方も押し寄せるような状況がありました。重症の方はきちんと病院を受診する必要があると思うんですけれども、お薬だけどうしても必要な方には『零売薬局』という制度を使ってもらうべきではないかと思いました」
零売は法的に認められた制度
零売は、明治時代から行われていて、2005年に薬事法が改正された後も「やむを得ない場合に限る」など条件付きで認められています。そのほかにも薬剤師が必ず対面で服薬指導を行うこと、購入履歴を2年間保存すること、必要に応じて医師の診断を受けるよう勧めることなどが求められています。
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この記事を書いたひと
三浦良介
1999年入社、テレビ営業部、大阪支社勤務を経て2011年から情報番組のディレクターを務める。2016年から報道記者として政治・経済を中心に取材奮闘中。