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「警察の誘導や強引な押しつけで証言」「自責の念に駆られ」死刑執行済みの事件 再審請求で目撃者が証言覆す

32年前に女の子2人が殺害された「飯塚事件」について死刑が執行された男の弁護団による2度目再審請求で、当時最後に被害児童らを目撃したとされる女性が「目撃したのは別の日だった」と証言していることを弁護団が明らかにしました。


◆「殺人罪確定」16年前に死刑執行
「飯塚事件」は1992年に福岡県飯塚市で小学1年の女の子2人が犠牲となった事件で、殺人などの罪が確定した久間三千年死刑囚は2008年に死刑執行されました。
その後、妻が「遺体に付着した血液が久間元死刑囚と一致したとするDNA鑑定は誤りだ」として、裁判のやり直しを求めたものの、最高裁は2021年4月に請求を棄却。その3か月後「風貌の違う男が、女の子2人を乗せて軽乗用車を運転していた」という新たな証言をもとに、久間元死刑囚の弁護団が2度目の再審請求を行い、現在も協議が続いています。


◆確定判決で証言を採用された女性は……
裁判所・検察・弁護団による三者協議が15日、福岡地裁で行われ、その後の会見で、弁護団は当時最後に被害児童らを目撃したとされる女性(当時20代)が、2023年11月、「被害児童らを見たのは事件当日ではなかった」と証言したことを発表しました。
確定判決では、当時の女性の目撃証言などをもとに連れ去られた現場などを認定していて、弁護団は「確定判決が揺らぐ証言になる」としています。


◆「できあがった調書に署名・なつ印を求められた」
女性は証言を訂正した理由について、「当時の証言は警察からの誘導や強引な押しつけで作成されたもの」「自責の念に駆られており再審請求棄却について報道で知って決意した」などと話しており、自ら証言が誤りだったことについて弁護士に電話したということです。
また、女性は、「事件から2年後、調書作成のために喫茶店に呼び出されたため、自身の証言を訂正しようと考えていたが、すでにできあがった調書を渡され、署名・なつ印を求められた」と話しているということです。再審可否の決定は4月以降になる見通しです。

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